164.マンションの騒音問題が売却理由？売る際の義務と効果的な売り方

こんにちは！
イエステーション愛媛総合センター｜ 今治店の川又です。

マンション売却時、騒音問題を買主に告知すべきか？心理的には伝えたくないものですが、隠してしまうと後でトラブルの原因になることがあります。このコラムでは、騒音の存在するマンションの売り出し時の告知義務と、スムーズな売却方法についてご案内します。

マンションの売却時、騒音問題を告知するべきか？

不動産を売る際には、物件に欠陥や問題があればそれを買い手に伝える義務があります。

この義務を「告知義務」と呼びます。物理的な損傷や心理的な問題（例えば自殺や事件があった場合）が該当しますが、
騒音のような環境的な問題に対してはこの義務は一般に課されません。

それでも、後の紛争を避けるために、買い手にはこのような問題を正直に伝えることが推奨されます。
もし騒音を隠して売り、それが後に明らかになった場合、契約の解除や損害賠償請求のリスクがあります。

実際にこのような事例が裁判に発展したこともあります。

どれほどの音量が騒音と見なされるのか、その基準について

告示第64号により、環境省は騒音レベルの基準を設定しています。この基準に従えば、住宅地域の昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下が適正値とされています。音の大きさを測るデシベルにおいて、これを超える音量は騒音と考えられます。地域によっては基準が異なり、大通りに面した地域ではより高い音量が許容されます。生活騒音の具体例としては、家電製品や人の声などが挙げられ、これらの音量は意外にも大きいことが示されています。ただし、実際に隣人に届く音は壁によって減衰されます。日常から聞こえる音、例えば隣人の話し声や子供の泣き声などは、通常、告知する必要のある範囲外です。

しかし、異常に大きな騒音やトラブルの原因となる騒音は、例外として告知が求められます。

騒音問題を抱えるマンションの売却のコツを解説します！

騒音があると、マンションは購入希望者に避けられがちで、売却が困難になることがあります。
トラブルを避け、円滑に売却するために覚えておくべきポイントがいくつかあります。

騒音を軽減するための取り組みを行う

もし騒音が隣の住人や上の階から来ている場合は、まず管理組合に相談して注意を促してもらうことを考えましょう。

また、紛争解決センターや国民生活センターが提供する裁判外紛争解決手続き（ADR）を活用して、当事者間での話し合いを設けることも一つの解決策です。

防音対策を施す

防音カーテン、遮音シート、またはワンタッチで設置できる防音壁を用いた防音措置を施すことが可能です。

ただし、大規模な防音改修には高額な費用が発生し、マンションでは改修可能な範囲にも制限があるため、
その点は慎重に検討する必要があります。

騒音は隠さずしっかり伝える

トラブルを避けるためには、情報を十分に共有することが不可欠です。
頻度や時間帯、発生する騒音の内容などを明確に文章にまとめておきましょう。

内覧の際には、買主に直接確認してもらうことが好ましいです。
契約書や重要事項説明書にも、これらの情報を記載しておくことで、「告知漏れ」によるトラブルを回避できます。

不動産会社にも売却活動を開始する際に、この情報を伝えておくことが大切です。

値引きして売ることを前提にした価格にする

騒音は価格交渉の要因となります。価格を下げるつもりがあっても、最初から最低価格を設定するのではなく、値引きを前提として価格を設定しましょう。購入者に「交渉により○○円値引き」と伝える方が、購入を促進する可能性が高くなります。また、騒音は近隣トラブルの原因にもなります。騒音や近隣トラブルのある家を円滑に売却する方法について、当社のコラムでも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。