住み替えの進め方
126 理想的だが難しい「売り買い同時」の方法と注意点
売却理由の中でも、それなりに多い理由が「住み替え」です。
手狭になったから広くしたい場合や、逆に子供の独立などで広すぎるので縮小買い替えをしたい場合など、理由はさまざまなものがあります。
住み替えでは、既に持ち家を持っている方が、ご自宅の買い替えを検討される訳ですが、ただ売却をするだけでなく購入も同時並行しなければならないため、通常の売却よりも難易度は高くなります。
そこで今回は、進め方を3種類に分けて、それぞれの利点や注意点をお伝えしていきたいと思います。
お住み替えをご検討の方は、ぜひご参考にお役立てください。
1.売り買い同時
2.売り先行
3.買い先行
1.売り買い同時
まずは、売り買い同時のパターンについてです。
これは理想的なケースですが、多くの場合で偶然に委ねられてしまう部分もあり実現難易度が高いことは先にお伝えさせて頂きます。
現住居の売却と、新居の購入のタイミングを合わせることができれば可能ですが、基本的にそれぞれの取引に相手が存在しており、それぞれに都合があるものです。
さらにもしも購入先が中古である場合、購入先の所有者の方の退去や、自身の入居前のリフォームなどの段取りも済ませておく必要がありますので、売却側を業者買取にする場合や、購入先が新築である場合以外は正直かなり難しい方法です。
また、スケジュール設定時点では問題なくとも、途中で想定外の事態が起きることがあるのも不動産取引です。
仮にすべてのタイミングが完全に揃っていたとしても、イレギュラーが起きた場合は対処の難易度がさらに跳ね上がります。
仮に、売却が押してしまった場合、先に購入が進んでしまうので、短期的には住宅ローンが2重になってしまう「ダブルローン」の状況に陥る可能性があります。
逆に、購入が押してしまった場合、先に売却が進みますから、ご自宅が一時的になくなってしまい仮住まいを用意しなければなくなるかもしれません。
「同時進行型」については基本的に、売却か購入のいずれか一方か、どちらもが不動産業者である場合に検討されるとよいでしょう。
業者が相手であればスケジュール調整がしやすく、イレギュラーの可能性も抑えることができる為です。
実務上では、事前にそれぞれのメリット・デメリットをご説明したうえで「売り先行」か「買い先行」のいずれかに軸足を置き、段取りを進めていくことが多いです。
そして進めていく中で、もしも売却・購入どちらにもご縁があって、同時に進められそうだとなった場合には、なるべく同時を目指していくのがセオリーとなります。
次回から、「売り先行」「買い先行」それぞれの詳細な解説に入りたいと思います。