276.家族信託で不動産を売るには?良い点・悪い点も知りたい。

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

親が不動産を所有している場合、将来的に病気や認知症などで判断能力を失ってしまう可能性を考えておくことはとても大切です。
突然の出来事に備えずにいると、不動産の管理や売却ができなくなり、家族が困ることになりかねません。
そんなときに役立つのが「家族信託」という仕組みです。
家族信託を活用すれば、親が元気なうちに信頼できる家族に不動産の管理を託すことができ、いざという時にもスムーズに対応できます。
今回は、家族信託を活用した不動産の管理・売却について詳しくご紹介します。

家族信託の不動産とは?

「家族信託」という制度は、まだ比較的新しく、一般にはあまり知られていないかもしれません。
しかし、親が不動産を所有している場合、将来の万が一に備えて知っておくと非常に役立つ制度です。
家族信託とは、簡単に言えば、親に代わって子どもや親族が不動産を管理・運用できるようにする仕組みです。
通常、不動産の売却や管理は所有者本人でなければ行えませんが、家族信託を活用することで、信頼できる家族が代わりに対応できるようになります。
この制度では、不動産の「名義」は子ども(受託者)に移りますが、「財産権」は親(受益者)のままなので、贈与税や不動産取得税が発生しないのも大きなメリットです。
不動産の管理には、修繕や賃貸、売却といった幅広い対応が含まれます。
家族信託を活用することで、将来の不安を軽減し、柔軟な資産管理が可能になります。

家族信託を活用している不動産を売却する方法とは?

家族信託の契約内容によって、不動産の売却が可能かどうかが大きく変わります。
特に重要なのは、信託契約に「不動産を処分する権限」が明記されているかどうかです。
この権限が含まれていない場合、たとえ受託者であっても、その不動産を勝手に売却することはできません。
信託契約を結ぶ際には、将来的な売却の可能性も見据えて、処分権限を明確にしておくことが大切です。

不動産処分の権限がない場合

現在の家族信託契約の内容に不動産の売却権限が含まれていない場合、受託者がそのまま売却を行うことはできません。
そのため、まずは一度信託契約を解除し、売却が可能な内容を盛り込んだ新たな契約を結び直す必要があります。
ただし、信託契約の解除には、委託者(親)と受託者(子など)の双方の同意が必要です。
ここで注意すべきなのは、もし委託者である親がすでに判断能力を失っている場合、契約の解除や変更ができなくなってしまう点です。
このような状況では、不動産の売却が非常に難しくなります。なお、売却が実現した場合には不動産取得税が発生し、売却益は受益者が受け取ることになります。

不動産処分の権限がある場合

信託契約に不動産の売却権限が明記されている場合は、通常の不動産売却と同じ手順で進めることが可能です。
不動産会社に依頼して買い手を探し、契約・引き渡しまで一般的な流れで対応できます。
このようなケースでは、売却によって得られた利益は受益者に帰属し、その利益には所得税が課税される点に注意が必要です。

家族信託の不動産のメリット・デメリット

メリット

① 相続トラブルの回避が可能
家族信託では、不動産の管理や処分を特定の受託者に任せるため、相続人同士での意見の食い違いによるトラブルを防ぐことができます。
売却後の利益は、あらかじめ複数の受益者に分配するよう設定することも可能です。

② 受託者の判断で売却が可能
たとえ委託者(親)が判断能力を失っても、信託契約に基づき、受託者が不動産を売却することができます。

③ 二次相続まで指定できる
遺言書では一次相続までしか指定できませんが、家族信託なら二次相続以降の資産の承継先まで決めておくことができます。

④ 税負担の軽減が可能
家族信託では金銭の授受がないため、不動産取得税は非課税となり、登録免許税も通常より軽減されます(約1/5程度)。

デメリット

① 専門的な知識が必要な制度
家族信託は法律や税金に関する知識が求められるため、専門家のサポートが必要になるケースがほとんどです。
その分、契約にかかる費用として報酬が発生します。

② 専門家探しが難しいことも
制度がまだ新しく、対応できる専門家が限られているため、信頼できる人を見つけるのに苦労することがあります。
経験豊富な専門家に依頼することが安心です。

家族信託は相続において注目されている方法

家族信託を事前に結んでおくことで、所有者が意思決定できなくなった場合でも、受託者が不動産を売却することが可能です。
この制度を有効に使うためには、あらかじめメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。

まとめ

家族信託を活用すれば、親が意思判断できなくなった場合でも、不動産の売却が可能になります。
ただし、契約に売却権限が含まれていないと、受託者は売却できず、契約の解除と再設定が必要になります。
この解除には委託者の同意が必要で、判断能力を失っていると対応が難しくなります。
また、家族信託は専門的な制度であり、専門家のサポートが必要不可欠です。
制度のメリット・デメリットを理解し、信頼できる専門家とともに、早めの準備を進めることが安心につながります。

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