知っておくべき査定価格の算出法

030 ①「原価法」②「収益還元法」③「取引事例比較法」

不動産の査定価格を出す3つの方法

①「原価法」・・建て直した場合の費用を算出する
「原価法」はまず、対象となる不動産を土地の取得も含めて、もう一度建てるといくらかかるかという考え方で価格(再調達原価)を算出します。
その価格から、建築後の経過年数に応じた価値の低下分を差し引いて(減価修正)、現在の価格を割り出します。
また、建物の価値は築年数が経つにつれて減少しますが、リフォームによって価値は上がります。
こうした点も考慮して、現在の不動産の価格を算出するのが「原価法」です。
しかし、現状では、中古住宅の建物価格は、ひとつひとつの住宅の価値に合わせて算出されるのではなく、築10年なら新築の半分、築20年を超えると価値はゼロなどというように、おおまかに割り引いて算出されています。

②「収益還元法」・・賃料をベースに割り出す
不動産を個人や企業に貸すと賃料を受け取ります。
その賃料から不動産の価格を割り出すのが「収益還元法」です。
単純な数字に置き換えてみてみましょう。
たとえば、家賃月額10万円で賃貸に出すことができる不動産の場合、5パーセントの投資利回りを求めたいのなら、価格は2400万円(10万円×12カ月÷5パーセント)となります。
実際には、住宅の維持費や売却した場合の価値を差し引いて考えなければなりませんが、考え方のベースは賃料です。
主に投資用の住宅の妥当な価格を算出するときに使われる方法です。

③「取引事例比較法」・・周辺相場から算出する
中古住宅の売買で、実際に多く取り入れられているのが「取引事例比較法」です。
住宅価格の査定を依頼すると、不動産会社に築年数や建物の状態なども加味しますが、必ず参考にするのが売主さんの住宅と似た条件の物件の成約価格です。
つまり、不動産会社は取引事例を調査し、最終的な査定価格を割り出します。

通常、住むための物件(自宅)を売るときに査定を依頼します。
そして、自宅の売却は【取引事例比較法(近隣の不動産などの取引相場や売り出し事例から算出された価格と比較)】を利用するケースが多いです。
次回は、中古不動産で広く知られている査定方法「取引事例比較法」を、お話ししたいと思います。

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