273.土地と建物の所有者が異なる場合の不動産売却手続きについて詳しく解説〜その3

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

不動産の売却においては、名義人であることが絶対的な条件となります。たとえその不動産が自分の親の所有する物件であっても、名義が自分でない限り、勝手に売却することは法律上認められていません。
また、土地と建物の名義がそれぞれ異なっている場合でも、売却自体は可能です。ただし、実務上は名義をどちらか一方に統一してから売却する方が、手続きが簡略化され、買主側にも安心感を与えるため、よりスムーズに進めることができます。
今回は、土地と建物の名義が異なる不動産を売却する際に、どのような手順で進めるべきかについて、具体的に見ていきましょう。

土地と建物の名義が違う不動産を売却する流れ

土地と建物で名義人が異なる場合、その不動産を売却するための手順を解説していきましょう。

1.土地と建物の名義を統一するための協議をする

名義人が異なる状態では不動産の売却が難しいことについては、これまでのコラムでも詳しく触れてきました。そこで、まず最初に行うべきは、土地と建物の名義を一人に統一することです。
どちらの名義にまとめるかについては、関係者間で話し合いを行い、合意が得られ次第、名義変更の手続きを進めます。売却を主導する方が名義人となるのが理想ですが、資金面での準備が難しい場合には、資金を確保できる方を名義人とすることで、よりスムーズな売却が可能になります。

2.買取金額を設定する

親族間であっても、金銭の授受がないまま名義変更を行うと、税務上「贈与」とみなされ、贈与税が課される可能性があります。さらに、不動産の売買価格を設定する際に、相場よりも著しく低い金額で取引すると、「みなし贈与」として扱われることもあります。
そのため、親子や夫婦といった近しい関係であっても、通常の不動産取引と同様に、適正な価格を設定して売買を行うことが重要です。贈与税は税率が高いため、後から課税されるリスクを避けるためにも、不動産業者や税理士などの専門家に相談し、適切な価格設定を行うことが賢明です。

3.相手方にお金を支払う

売買価格が確定したら、まず売買契約書を作成し、代金の支払いと受け取りを行います。支払いは、実際に資金が動いたことを証明できるよう、銀行振込など記録が残る方法を用い、領収書などの書面も必ず作成しておきましょう。税務署に架空取引と誤解されないよう、客観的な証拠を残すことが重要です。

4.名義変更の手続きをする

名義変更の手続きは自分で行うことも可能ですが、申請書の作成や必要書類の準備など、細かな作業が求められます。書類に不備があると、修正や再提出が必要となり、何度も法務局へ足を運ぶことになりかねません。
一般的に、不動産に関する専門知識を持っている人は少なく、仕事の合間に書類を整えるのも難しいため、司法書士に依頼するケースが多く見られます。報酬の目安は10万円前後です。
名義変更が完了するのは、所有権移転登記の申請後、約1週間程度。これにより土地と建物の名義が統一され、通常の不動産と同様に売却活動を進めることができます。

まとめ

これまで3回にわたって解説してきたように、土地と建物の名義が異なる不動産を売却する場合は、名義をどちらか一方に統一してから売却するのが、もっともスムーズな方法です。
ただし、自分が相手の不動産を買い取る場合には、相場に見合った価格で購入できる資金が必要です。無償や極端に安い価格で譲渡すると、「贈与」とみなされて贈与税が課税される可能性があるため、注意が必要です。
また、名義人が認知症の親であったり、相続によって共有名義になっていたりするケースでは、名義を統一するだけでも大きな手間がかかることがあります。
いずれにしても、名義が分かれた状態で一方の判断だけで売却を進めるのは非常に困難です。手間はかかりますが、これまでご紹介した方法を参考に、段階を踏んで確実に進めていきましょう。
不動産売却は高額な取引であり、名義に関する問題はトラブルの原因にもなり得ます。安心して進めるためにも、不動産会社や司法書士など、専門知識を持つプロに相談することをおすすめします。

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