272.親の借金が原因で、子どもの家が差し押さえられることはある?【後編】

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。
親が亡くなった後に、実は多額の借金を抱えていたことが判明するケースは、決して珍しくありません。では、もしその借金が残されたままだった場合、子どもは自宅を売ってでも返済しなければならないのでしょうか?
今回は、親の借金が原因で子どもが家を失う可能性について、前回に続いて解説します。

遺産だけじゃない、借金も相続されるという事実
親が借金をしていても、生きている間は子どもの財産が差し押さえられることは基本的にありません。しかし、親が亡くなると状況は大きく変わります。
相続では、預金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐことになります。たとえ連帯保証人になっていなくても、親の借金は子どもに相続され、返済義務が発生します。返済が困難な場合、債権者は子どもの財産を差し押さえることができ、預貯金や車、生命保険などが対象となるほか、最悪の場合は自宅が競売にかけられる可能性もあります。親の死後に突然借金を背負うことにならないよう、相続の仕組みを正しく理解しておくことが重要です。
・ローンなどの借金
事業ローン、カードローン、クレジットカード、個人からの借入金など
・分割払いの未払金
携帯電話や絵画、骨董品、ブランド品など、分割払いで購入した残債など
・未払いの家賃、水道光熱費
家賃や水道光熱費を滞納していた場合は、負債として相続人に引き継がれる
・未払いの買掛金、リース債権
親が事業をしていて未払いの買掛金(購入代金)やリース債権があると、相続人に支払い義務が生じる
・未払いの損害賠償金
交通事故などにより損害賠償債務を抱えている場合、相続人に債務が相続される
・未払いの税金
税金の滞納があると、相続人が納税の義務を負う
実家も相続財産──借金返済のために売却せざるを得ない現実
親が亡くなった後に借金や債務があることが判明した場合、相続人である子どもがその返済義務を負うことになります。「自分の借金ではない」と主張しても、法律上は逃れることができず、負担が大きくなるケースもあります。
こうした場合は、まず親から相続した財産を使って返済を検討しましょう。預貯金や株式、車などの資産を売却して借金に充てることができます。もし実家を相続しているなら、その土地や建物を売却することで、多額の債務を一括返済できる可能性もあります。

実家を守りたいなら要注意──相続放棄が必要になるケースとは?
親が亡くなった後に多額の借金が残されていた場合、相続人である子どもはその返済義務を負うことになります。遺産をすべて売却しても借金を返しきれない場合、子ども自身の財産──たとえば自宅など──を手放さなければならない可能性もあります。
こうした事態を避けるために有効なのが「相続放棄」です。相続放棄とは、親の遺産(プラスの財産もマイナスの財産も)を一切引き継がないという法的手続きです。これにより、借金の返済義務も免れ、自分の財産を守ることができます。
ただし、相続放棄には注意点があります。まず、手続きには期限があり、相続人であることを知った日から3カ月以内に家庭裁判所で申請しなければなりません。また、遺産に手をつけてしまうと、放棄が認められなくなる可能性があります。たとえば、親の預金を引き出したり、車を売却したりすると、「相続を承認した」とみなされることがあります。
親が借金を抱えている場合は、亡くなる前に家を売却して返済する選択肢もありますが、亡くなった後は迅速な判断が求められます。まずは、遺産と借金のバランスを確認し、実家の不動産価値などを調べることから始めましょう。
まとめ
相続は、資産だけでなく負債も対象となる法的制度です。親が亡くなった後に借金が残っていた場合、相続人はその返済義務を負うことになります。
遺産をすべて売却しても借金が残る場合、相続人自身の財産が差し押さえられる可能性もあります。これを防ぐためには「相続放棄」が有効です。
相続放棄は、家庭裁判所での手続きが必要で、相続を知った日から3カ月以内に申請しなければなりません。遺産に手をつけたり、借金を返済したりすると放棄できなくなるため、注意が必要です。
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