024.不動産を売却契約する際に注意したいこと

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です

不動産の売却は大きな金額が動く取引なので緊張しますよね。
基本的に契約書を一度取り交わすと、自分の都合で「やっぱりやめた」とはできませんので、契約書をしっかり確認し納得したうえで契約を進めましょう。

今回は不動産の売却時、特に契約を結ぶ際の注意点についてのお話です。
売買契約が解約になる場合についての知識と解約されないためのポイント、売り主が知っておきたい契約書のチェックポイントや瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)についてご紹介します。

(※2020年4月から「瑕疵担保責任」が廃止され、代わりに「契約不適合責任」が新設されました)

売買契約を解約できるときと解約されないためのポイント

大きな金額が動く、不動産の売買契約。
契約書を交わして契約を結んだ後は、一方の都合で「やっぱり辞めた」と契約を解除することは出来ません。

ただし、どんな場合も絶対に解約できないというわけではなく、以下のような場合は解約が可能です。

手付金放棄による解除

契約相手が契約の履行に着手し始める前であれば、手付金を放棄することで契約を解除できます。
買主の場合は手付金をそのまま売主へ支払う、売り主の場合は手付金を倍額にして買主へ返金します。

危険負担による解除

「津波で家が流れてしまった」「隣家の火事が飛び火してしまった」など、売主の責任ではない原因によって契約履行が不可能になってしまった場合、契約を解除することができます。

契約違反による解除

例えば、売主が物件引き渡しの準備を終わらせたのに買主が残金を支払ってくれない場合や、買主が残金決済をしたのに物件の引き渡しをしてくれないような場合は、まず相手へ契約履行の催告をした上で契約違反の状態が解消されなければ、契約違反による解約が可能です。
契約違反の内容によっては、違約金の支払いも必要となります。

住宅ローン特約による解除

住宅ローンを利用して決済を行うつもりが、住宅ローンの審査に通らなかった場合に解除できるというもの。
契約書へ住宅ローン特約の定めを盛り込む必要があります。

合意による解除

理由の如何に関わらず、売主・買主双方の合意が取れる場合は、契約を解除することができます。

いずれにしても契約キャンセルをされると相手方が困ります。契約書を交わす前は契約内容やお互いの状況をしっかり確認して納得の上で契約を結びましょう。

売主も知っておきたい、売買契約書のチェックポイント

契約の具体的な内容は不動産売買契約書に記載されます。
不動産売買契約書は不動産会社(宅地建物取引業者)が作成してくれますが、業者任せにせずしっかり内容を確認して理解しておきましょう。

特に下記の点は忘れずにチェックしましょう。
【1】契約の当事者(売主・買主)の名前と住所
【2】売却する不動産の住所や面積など概要
【3】売却金額とその支払い方法、支払時期
【4】手付金の金額、手付金放棄による解除について
【5】物件の引き渡し、登記変更の日時
【6】抵当権抹消がされていること
【7】塀や庭木、照明やエアコンなどの設備・備品の内容や状態について
【8】固定資産税の負担割合、計算の起算日などについて
【9】契約解除の可能性について(危険負担、契約違反、ローン特約、瑕疵担保責任など)

ポイントとなるのは「売買の条件が明確になっているか」です。
「どの住宅をどの条件で受け渡すのか」「誰が何をどこまで負担するのか」がきちんと書かれているか、一つ一つ把握するのが大切です。

売主負担が増える?瑕疵担保責任とは

不動産の売買契約では、売主は一定期間「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」を負うことになっています。
瑕疵とは予測していた結果が得られない状態を指し、瑕疵担保責任は、物件の引き渡し後に見つかった欠陥についても一定期間は売主が補修などの責任を負うというものです。

例えば雨漏りやシロアリ被害など、売却・購入時には注意してもお互い気が付くことができなかった「隠れた瑕疵」が対象となります。

物件の売却・引き渡し後に隠れた瑕疵が見つかった場合、売主は買主の請求に応じて物件を補修したり損害賠償をしなくてはいけません。
補修をしても住めないという状態の場合は契約が解除になることもあり得ます。

民法では「瑕疵担保責任」の期間は、買主が隠れた瑕疵を発見してから1年間と定められています。
しかし中古物件の売買では、瑕疵が売却前からあったものなのか売却後の劣化でできたものなのかが判断しづらいため、特に個人間の不動産売買の場合は売買契約書で瑕疵担保責任の期間を物件の引き渡しから2~3ヵ月と定めていることが多いです。

近年では瑕疵担保責任による売主の負担をカバーする保険「既存住宅売買瑕疵保険(個人間売買タイプ)」も登場しています。

まとめ

  • 一度不動産売買契約を結ぶと、基本的には一方的な解除はできません。ただし、天災などで契約履行ができなくなった場合や契約違反、住宅ローンが受けられない場合、双方の合意があれば解約が可能な場合もあります。契約履行の着手前であれば手付金を放棄することで解約できることもあります。
  • 契約の具体的内容は契約書へ記載されます。売買契約書は不動産会社が作成してくれることがほどんどですが、契約当事者や物件の概要、手付金や売却代金の金額や支払い方法、支払時期、契約解除に関する事項については自分でももれなくチェックして理解しておきましょう。
  • 不動産売却では売主に瑕疵担保責任が生じます。物件引き渡し後一定期間は、売却後に見つかった欠陥についても補修や損害賠償の責任が売主側にあるのです。補修をしても住めないほどの欠陥となると契約が解除になる可能性もあります。近年ではそのような売主側の負担をカバーするための「既存住宅売買瑕疵保険」も登場しています。などできるだけ費用が掛からない処分方法を検討してみましょう。

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