193.契約解除期限はいつまで可能か?〜売主版〜
こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。
不動産を売却する際には「売買契約」が不可欠であり、様々なルールを守る必要があります。
しかし、時には「売買契約を解除したい」と思う場合もあるでしょう。
基本的には契約を完了させることが望ましいですが、事情によっては契約を履行できないこともあります。
契約を解除したい場合、売主はいつまでにその旨を申し出る必要があるのでしょうか。
売買契約解除ができる期日は?
不動産契約に限らず、どの契約でも『○○までに解除しなければならない』と期限が設定されています。
この期限を守らない場合、契約解除は成立せず、契約内容がそのまま継続されます。
したがって、『解除したい』と考える理由が生じた場合は、速やかに解除手続きを進めることが重要です。
民法上で「契約の履行に着手するまで」と定められている
契約解除の期日は民法により定められており、売主も買主もその期日までに解除の意思を表示する必要があります。
『買主が契約の履行に着手するまで』と記されていますが、履行や着手という言葉に馴染みがない方も多いでしょう。
履行は任務を遂行することであり、着手は手を付けることを指します。
『相手方が履行に着手するまで』が一般的な契約解除の期日ですが、具体的には『お金を支払う時』と解釈できます。
不動産契約では、物件購入後に金銭を用意し支払うことで契約が成立し、買主がそのお金を売主に支払った時点で契約の履行と見なされます。
物件購入時には、まず手付金を支払い、その後中間金や残金を支払う流れですが、手付金を支払う段階ではまだ『契約の履行に着手した』とは見なされません。
したがって、履行の着手と見なされるのは中間金や残金を支払った時です。
事前に具体的な解除期日を設ける場合も
上記のメリットが、逆に作用することもあります。自社の利益を確保しやすい契約であるため、売主が期待するほど積極的な売却活動を行わない場合もあります。
さらに、自社で買主を見つけることで売主と買主の両方から仲介手数料を得る「両手取り」を狙い、「囲い込み」を行う可能性もあります。
囲い込みとは、他社からの物件問い合わせに対して「商談中」や「売却済み」などと虚偽の報告をして他社での契約を阻止することです。
このため、物件情報を広く流通させずに自社で買主を見つけることを優先し、結果として売却が遅れることもあるため注意が必要です。
売主が契約解除をする方法は?
売主側が問題を感じて契約を解除したいと思うことは珍しくありません。例えば、買主が決められた期日までに手付金や中間金を支払わなかったり、
支払う意思が見られなかった場合、債務不履行や履行遅延を理由に契約を解除することが可能です。
しかし、特に理由もなく『契約を解除したい』といっても、その意思が通ることは少ないため、
解除には正当な理由が必要です。売主が契約を解除する方法について説明します。
手付金を倍返しして契約を解除する
契約を解除できる期日は、買主が中間金や残金を支払うまで、もしくは双方で合意した期日までとされていますが、
買主が手付金を支払ってからは、売主が手付金を倍返しすることで契約を解除することが可能です。
不動産を購入する際には、『確かに購入します』という意思表示として、物件価格の一部を手付金として売主に支払います。
この手付金の支払い後も履行に着手したことにはならないのですが、買主に対する迷惑料として手付金を倍返しして解除する必要があります。例えば、手付金が200万円であれば、その200万円を何の条件もなく買主に返還し、さらに売主が用意した200万円を渡すことで解除が成立します。
決められた期日以降に契約を解除した場合は?
手付金の倍返しで契約を解除することは可能ですが、期日を過ぎてから解除を希望することもあります。
このような場合は、期日内での解除とは異なる方法が必要です。期日を過ぎての解除には、買主が支払いをしない、
または遅延するなどの正当な理由が必要です。
しかし、買主に明らかな非がある場合には、契約解除と同時に違約金を請求できることが民法で定められています。
これらの取り決めは、売買契約書に詳しく記載し、契約時に双方の合意が必要です。
契約解除できる時期・理由は定められている
不動産の契約は大きな金額が関わるため、債務不履行などのトラブルが生じることは珍しくありません。
その場合、契約解除の正当な理由となることがあります。
しかし、通常は中間金や残金が支払われた時点で買主が購入の意思を示したとみなされるため、売主はそれまでに契約解除を行うことが望ましいです。
まとめ
不動産売買契約の解除は、買主が中間金や残金を支払う前に行うことが望ましいです。
手付金の倍返しで契約を解除できますが、期日を過ぎた場合には正当な理由が必要です。
解除に関する条件は契約書に明記し、契約時に双方で確認しておくことが重要です。
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