136.相続税減額を徹底解説!

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

土地や建物を相続したけれど、相続税が払えずに不動産を手放すことになってしまっては本末転倒。
土地の相続の場合、一定の条件を満たす相続について相続税を大きく削減できる「小規模宅地の特例」をご存知でしょうか。

今回はこの「小規模宅地の特例」について解説します。

小規模宅地の特例とはどんなもので、相続税をどのくらい抑えることができるのか。
特例が適用される条件や特例を受けるための手続きなどをご紹介します。

こちらの特例も知った上で、相続後の不動産の扱いを考えてみましょう。

小規模宅地の特例とは?

小規模宅地の特例とは、一定の条件を満たす土地の相続にかかる相続税を抑えることができる制度です。
この制度は相続税が払えずに土地を失ってしまうことを避ける目的で定められています。

たとえば親と同居していた子どもがマイホームをそのまま相続したなら、土地については面積330㎥までは課税評価額を80%引いて相続税を計算することができます。

計算例

例)親と同居する子が300㎥、評価額8,000万円の土地を相続した場合(法定相続人は子1人のみ)

8,000万円-基礎控除3,600万円=4,400万円

取得金額3000万円超5000万円以下は控除額200万円・税率20%なので
4,400万円 × 相続税率20%-控除200万円=680万円

相続税額は680万円になります。

小規模宅地の特例が適用されると相続税額の計算は以下の通りに。
8,000万円 × 20%(80%減)=1,600万円
1,600万円-基礎控除3,600万円=0円
相続税額は0円。

小規模宅地の特例が適用されれば、土地にかかる相続税を大きく抑えることができるのです。

小規模宅地の特例の適用要件

小規模宅地の特例は相続税額を大きく抑える制度のため、適用要件が厳しく決まっています。
特例を適用できる土地は全部で3種類。

それぞれの条件や減額率は以下の通りです。

居住用の土地

被相続人が住んでいた土地であることが前提で、配偶者または同居人が相続した場合が対象。
被相続人が1人暮らしだった場合には、3年以上借家住まいだった子が相続しても対象になります。

減額割合は80%で適用限度面積は330㎥まで。
土地の面積が330㎡を超える場合、残りの面積については通常計算で課税されます。

配偶者以外が相続した場合、居住や所有を継続することが条件のひとつです。
同居の子が相続したが住み続けずに売却してしまう場合は対象となりません。

事業用の土地

相続開始前から被相続人が事業を営んでいる土地です(特定の業種を除く)。
減額割合は80%、適用限度面積は400㎥まで。

相続税の申告期限までに土地の相続人が事業を引継ぎ、事業を継続していることが条件となります。
土地を相続したものの事業を継承せずに廃業する場合は対象となりません。

賃貸用の土地

相続開始前から被相続人が貸付事業を行っていた土地です。
減額割合は50%、適用限度面積は200㎥まで。

特定同族会社事業用宅地等の場合は減額割合は80%、適用限度面積は400㎥までとなります。
特定同族会社事業用宅地等とは、被相続人が自身で経営する不動産賃貸業を除いた特定同族会社に貸し出していた宅地を指します。

こちらも相続税の申告期限までに貸付事業を継続していることが条件です。

小規模宅地の特例を受けるための手続きや必要書類を解説!

小規模宅地の特例を受けるためには、相続税の申告で特例を受ける旨の記載をしなくてはいけません。
小規模宅地の特例を受けて相続税額が0円になるという場合でも必要です。

申告期限は相続開始から10ヵ月以内ですので、忘れずに行いましょう。
小規模宅地の特例を受けるための必要書類は以下の6点です。

  • 相続税の申告書
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺言書の写し、または遺産分割協議書の写し
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 小規模宅地等に係る計算の明細書

小規模宅地の特例は、相続税の負担によって住居用地や事業を失ってしまうことを防ぐための制度です。
そのため土地は相続したけど住まない(売却する)、事業は継続しないという場合には適用になりませんので注意しましょう。

まとめ

小規模宅地のまとめ

・小規模宅地の特例とは
小規模宅地の特例とは、一定の条件を満たす土地の相続について相続税を大きく抑えることができる制度です。相続税の負担により相続した土地を失ってしまうことを防ぐことが目的です。たとえば住宅用地なら、330㎥までは評価額が80%減額されて相続税が計算されます。

・小規模宅地の特例の適用要件
住宅用地の特例が適用になる土地は被相続人が住んでいた土地、事業用としていた土地、貸付事業を行っていた土地の3種類。土地の種類によって減額割合や適用面積の条件が異なり、住宅用地では取得者の要件もあります。

・小規模宅地の特例を受けるための手続きは
小規模宅地の特例を受けるには相続税の申告手続きにて特例を受ける記載が必要です。土地や事業を失わないための特例なので土地を相続したけど売却する、事業を継承しないという場合では対象となりません。

不動産売却のコツ

前の記事

135.早期高額で売るための不動産売却のヒント
土地や空き家のこと

次の記事

137.空き家は買取一択!?本質に迫る