114.「つなぎ融資」とは何か?仕組みや金利、注意点を解説〜その2

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です

「古い自宅を建て替える」「土地を購入して思い通りの家を建てる」など、注文住宅を建てる場合は、住宅ローンの融資実行前に、土地代や着工金、中間金などを数回に分けて支払う必要があります。

しかし、まとまった費用をすべて自己資金で賄うのは大きな負担となります。そんな時に検討したいのが「つなぎ融資」です。利用する場合は、住宅ローンと同じ金融機関に一緒に申し込みます。

前回の記事では、つなぎ融資の基本的な仕組みや、融資の流れを紹介しました。今回はこの融資を利用するメリット・デメリットなどについて解説します

つなぎ融資を利用するメリット

つなぎ融資の借り入れには、どのようなメリットがあるのでしょう。

注文住宅や建て替えで対応ができる

注文住宅の購入や自宅の建て替えの際、工務店やハウスメーカーとの交渉次第で、残金を住宅ローン融資実行後に支払うという契約が可能になることがあります。

とはいえこれは残金の扱いであって、着工金や中間金は正規のタイミングで支払わなければなりません。

つなぎ融資を利用すれば、手元に十分な自己資金がなくても、注文住宅を建築することが可能になるのです。

団体信用生命保険に加入できる

つなぎ融資は、住宅ローンと同様に団体信用生命保険が利用できます。施主としては、住宅建築中に自分に万が一のことがあったら…考えてしまうかもしれませんが、もしもの時でもローンが完済できるので心配いりません。

つなぎ融資を利用するデメリット

つなぎ融資は便利な反面、デメリットもあります。借りてから後悔しないよう、必ず事前に把握しておきましょう。

住宅ローン控除は適用外

住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高に応じて税金が控除される、非常に節税効果の高い制度。しかし適用されるのは住宅ローンのみで、住宅の完成前に利用するつなぎ融資は、適用対象外になります。

金利が高い

一般的な住宅ローンの金利が1%前後であるのに対して、つなぎ融資は、担保がないことから金利が2%~4%と高く設定されています。

工期が延びれば利息が増える

つなぎ融資は融資期間に応じて日割りで利息がかかる上、金利も高いため、工事が遅れて借入期間が長くなると、その分利息の負担も増えてしまいます。

例えば2,000万円の融資で金利3%の場合、工事が仮に1カ月延びたとすると、利息は約5万円も負担が増えることに。工事の進捗が遅れると、利息が気になって工務店とトラブルに発展することもあり得ます。

つなぎ融資を利用する際の注意点

注文住宅を建てる場合は、住宅ローン融資実行前にまとまった金額が必要になりますが、多額の資金を用意するのが難しいという方は多いでしょう。つなぎ融資はその不足を補完し、資金繰りをサポートしてくれる心強い存在。一方で、注意すべきポイントもありますので、利用する前にしっかり確認しておきましょう。

自己資金が必要な場合もある

つなぎ融資の利息や事務手数料の支払い開始日は、金融機関によって異なります。また、つなぎ融資実行時に、融資金から利息や事務手数料が差し引かれ、支払いに不足が生じることもあります。そうした場合は、不足分を補填するための自己資金が必要になるため注意が必要です。

つなぎ融資を扱っていない金融機関がある

住宅ローンはほとんどの銀行で扱っていますが、つなぎ融資は実施していない金融機関もあります。

つなぎ融資を借りる前提であれば、住宅ローンを選ぶ段階で、その金融機機関がつなぎ融資も扱っているかを必ず調べておきましょう。先に住宅ローンに申し込んで仮審査に通り、その後につなぎ融資の相談をすると、実はつなぎ融資には対応していなかった!という事態もあり得るからです。

住宅ローンとセットでの借り入れが前提

つなぎ融資は住宅ローンの融資を前提としたローンのため、これだけ単独で借り入れすることはできません。つなぎ融資の必要があれば、基本的に住宅ローンと同じ金融機関でしか申し込めません。

そのため借り入れ先を検討する際は、必ずつなぎ融資と住宅ローンのセットで融資条件を確認し、申し込む金融機関を決める必要があります。

フルローンはリスクが高い

頭金なしで住宅価格の全額を借り入れることをフルローンといいます。フルローンで住宅を購入しようと考えている人は、つなぎ融資の利用は慎重に検討すべきです。

全てをローンで賄うと、毎月多額の返済を長期間にわたって続けることになります。万が一、収入が減るなど何か不測の事態が起こった場合に、返済できなくなる可能性があります。

まとめ

つなぎ融資は、手元に十分な資金がなくても、自宅の建て替えや注文住宅の購入が検討できる非常に便利な融資です。

しかし、無担保で借り入れができるだけに金利は割高で、事務手数料など諸経費の負担も小さくありません。住宅ローンの融資実行の翌年にならないと住宅ローン控除も受けられないため、つなぎ融資を利用している間は資金繰りが厳しくなる可能性もあります。

つなぎ融資を利用する際は、あらかじめ仕組みや注意点をしっかりと理解し、無理のない資金計画を立てることが大切です。融資をうまく活用して、快適な住まいづくりを実現してください。

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