259.土地と建物の所有者が異なる場合の不動産売却手続きについて詳しく解説〜その1

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。
不動産を売却しようとした際に、「土地と建物の名義が別々だった」というケースは実は珍しくありません。特に多いのは、相続後に名義変更をせずそのままにしていた、という例です。
不動産は原則として名義人でなければ売却できません。たとえ親名義の不動産であっても、本人の同意なしに勝手に売ることはできないのです。
では、土地と建物の名義が異なる場合、どのように売却を進めればよいのでしょうか。具体的な方法や注意点を詳しくご紹介します。

土地と建物の名義が違う不動産の売却方法
土地と建物の名義が異なる場合でも、不動産の売却は可能です。ただし、以下の3つのいずれかの方法を選んで対応する必要があります。
- 土地または建物のいずれか一方だけを売却する
- 名義を一人にまとめてから売却する
- 名義が異なるまま両方を同時に売却する
名義が別々でも売却は可能ですが、買主によってはその点を不安に感じることもあります。できるだけ円滑に売却を進めるために、それぞれの方法を順を追って確認していきましょう。
1.土地または建物を単独で売却する
土地と建物は、それぞれ独立した資産であり、権利関係も別々に管理されています。そのため、所有者が異なる場合でも、原則としてそれぞれが単独で売却することが可能であり、相手方の同意は必要ありません。
なお、土地と建物の名義が異なるケースでは、建物の所有者はその土地を使用貸借で利用しているか、もしくは借地権を設定して地代を支払っている可能性があります。どちらに該当するかによって、売却の進め方が変わってきます。
〈使用貸借の場合〉
使用貸借とは、本来必要な地代を免除して、不動産を無償で貸し借りする契約のことです。親の名義の土地に子どもが家を建てるような、親族間の利用でよく見られる形態です。
この場合、家を売却する際に地主の許可は必要ありませんが、実際には土地と建物の名義が異なる物件が単独で売買されるケースは極めて稀です。
その理由は、使用貸借は貸主と借主の間でのみ成立する契約であり、第三者には効力が及ばないためです。建物を購入しても、土地が使用貸借であった場合、土地所有者から立ち退きを求められる可能性があります。また、土地だけを取得したとしても、すぐに自由に使えるわけではなく、建物所有者の退去を求めても認められない場合が多いのです。
こうした背景から、使用貸借状態にある不動産の単独売却は非常に難しいのが現実です。
〈借地権が設定されている場合〉
借地権とは、建物を建てる目的で、地代を支払って他人の土地を借りる権利のことです。
この権利が設定された物件では、借りた土地の上に自身の住宅が建っている状態となります。借地権付き建物を売却する場合、その借地権ごと譲渡することになり、地主の承諾が不可欠です。もし無断で売却すると、契約違反とみなされて借地権を取り消される可能性があり、最悪の場合は建物の取り壊しを求められることもあります。
一方、地主側が土地を売却する際には、建物所有者の承諾は不要ですが、その土地には使用制限があるため、自由に使えず買主にとってメリットは少なく、売却価格も大きく下がる傾向にあります。
ただし、建物の所有者に土地を売却する場合は別です。このケースでは買主にとっての価値が高く、相場に近い価格での売却が見込まれます。
2.名義を1人に統一してから売却する
土地と建物の名義が異なる不動産を売却する際、最も一般的なのは、名義を1人にまとめてから売却する方法です。
この場合、土地と建物のいずれかを所有している方が、もう一方の不動産を相場価格で購入する必要があります。そのため、事前に資金の準備が欠かせません。
なお、無償で譲渡したり、相場よりも極端に安い価格で取引すると、贈与と見なされて贈与税の対象になることがありますので、十分注意が必要です。

3.名義が違うまま同時に売却する
名義を一本化したくても、相手の不動産を買い取る資金が用意できないケースもあるでしょう。そんな時は、名義が分かれたまま、土地と建物をセットで同時に売却する方法があります。
この手法は、双方の名義人が売却に同意していることが前提です。たとえば、親名義の土地に子どもが家を建てている場合や、借地権付き物件で地主と建物所有者の意見が一致しているようなケースです。
ただし、名義が別々なので、買主は土地と建物それぞれと売買契約を結ぶ必要があります。その際の契約には、「一方の契約が成立しなければ、もう一方も無効になる」といった条項が設けられます。これにより、買主が後から一方だけキャンセルするのを防げる仕組みになっています。
この売却方法はやや複雑で、契約手続きにも注意が必要です。スムーズに進めるためには、同時売却の経験が豊富な不動産会社に相談するのがおすすめです。
次回は、そもそも名義変更や売却自体が難しい場合の対応策についてご紹介します。
まとめ
土地と建物の名義が異なる不動産を売却する場合、最も一般的なのはどちらかの名義に統一する方法です。ただし、資金の用意が難しい場合には、名義が別々のままセットで同時に売却することも可能です。それぞれの状況に応じた適切な手続きを選びましょう。
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