218.よくある不動産相続トラブルとその解決策を事例を交えて解説〜第1回

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イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

不動産は現金のように簡単に分割できないため、相続の際にトラブルの原因となりやすいです。仲の良い兄弟でも、実家の不動産を巡って争いが起こることは珍しくありません。

トラブルが発生すると解決までに時間がかかりますが、事前に知識を持っていれば避けられるケースも多いです。この記事では、不動産相続で発生しやすいトラブルとその解決策を紹介します。

不動産相続によるトラブルは身近な問題

相続時にトラブルが発生しやすいのは、遺産に土地や不動産が含まれている場合です。『相続トラブル』というと、広大な土地や都心の豪邸を所有する資産家の話のように感じるかもしれませんが、実際は親が住んでいた実家など、身近な不動産が原因となるケースが多いのです。

不動産相続のトラブル件数は毎年増加

実際、不動産相続に関するトラブルの件数は年々増加しています。最高裁判所がまとめた『平成24年度司法統計1』によると、家事調停や審判にまで発展した遺産分割事件は、平成14年の約11,000件から平成24年には約15,000件に増えています。相続に関わるトラブルは増加傾向にあるのが現状です。

なお、相続における家事調停とは、遺産分割において相続人同士の話し合いがまとまらない場合に、裁判官と調停員が間に入り、問題解決を目指す手続きです。調停が成立しない場合は、裁判官が判断を下す遺産分割審判に進むことになります。

不動産相続のトラブルの原因とは

相続トラブルは、資産家だけの問題ではありません。実際、遺産総額が1億円を超える資産家が遺産分割事件にまで発展するケースは少数派です。

遺産分割事件の約7割は、遺産総額5,000万円以下の案件であり、そのうち1,000万円以下の案件も全体の約3割を占めています。このことから、いかに“普通の家族”で相続トラブルが多いかを想像できるでしょう。

「自分の家は相続トラブルとは無縁だ」と思っている人は、「遺言書がなくても法定相続分で分割すれば問題ない」と考えがちです。

しかし、相続財産は必ずしも現金のように簡単に分割できるわけではありません。自宅の土地や田畑などの不動産が含まれる場合、その資産価値をどう評価するかで、それぞれの相続額が大きく変わってきます。

不動産を売却して現金にすれば分割しやすくなりますが、例えば親と同居していた長男などがいれば、売却は困難です。そのため、資産価値に応じた現金を他の相続人に支払うことになり、金額によってはトラブルに発展することがあります。

さらに、長年親の介護をしてきた相続人にとって、他の兄弟姉妹と同じ相続額では納得できないケースもあります。

ほとんどの家庭では、親が自宅を所有しており、高齢になると要介護者になることもあります。相続トラブルはどの家族にも起こり得る、非常に身近な問題といえるでしょう。

まとめ

遺産相続において、不動産が含まれている場合は相続人同士でトラブルが発生しやすいです。このようなトラブルは、資産家だけに起こるものではなく、むしろ普通の家庭で頻繁に見られる問題です。また、長い間親の世話をしてきた人や、親と長く同居していた人、あるいは疎遠になっている兄弟姉妹がいる場合、相続の際にはそれぞれの立場から異なる主張が出てくるため、予想以上に問題がこじれることもあります。この問題は誰にでも起こり得るものです。

次回からは、よくある相続トラブルの具体例とその解決策について解説していきます。家族が円満に相続を迎えられるように、ぜひ本記事を参考にして準備を進めてください。

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