214.不動産売却時、書類が多くて混乱します。買付証明書とは何のための書類ですか?

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イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

多くの売主様の売却をお手伝いする中で、『この書類は何のためのもの?』というご質問をよく受けます。不動産の売却には多くの書類が必要で、すべてに署名や捺印が求められ、保管にも注意が必要です。この記事では、売却時に重要な『買付証明書』について、その必要性と効力を解説します。

そもそも買付証明書とは何?

不動産契約に関して、売買契約書や媒介契約書については、完全に理解していない場合でも、ある程度把握しているという反応が多いです。しかし、買い付け証明書に関しては『よくわからない』と感じる方が多い印象です。確かに、買付証明書は必ずしも提出が必要ではなく、提出しなかったとしても問題にはなりません。

買主が売主に対するアピールの一つ

買付証明書とは、買主が『○○万円で購入したい』という意思を示すための書類です。高額な買い物では、誰しも『できるだけ安く購入したい』という願望を持っていますが、この書類はその気持ちを具体的に表現するツールと考えられます。また、『購入申込書』や『買受証明書』と呼ばれることもあります。私たち不動産業界では、『買付』と略されることが多いです。なお、この書類の提出は義務ではなく、買主の意思を示すための一例であり、パフォーマンスとして提出するかどうかは買主の自由です。

法的な拘束力はない

買主が希望価格を値下げ後の金額で記入していても、売主がその価格で売却する義務はありません。買付証明書には法的効力や拘束力がないため、売主は提出されたからといって特に心配する必要はありません。また、法務局や税務局で必要な書類は特になく、多くの場合、仲介する不動産会社が用意しますが、雛形に基づいているだけで法的な効力は期待できません。

記載される事項はケースバイケース

不動産会社が独自に買い付け証明書を作成し、売主に提出するのが一般的ですが、記載する内容は物件の種類や状況によって異なります。不動産会社ごとに用意する書類や参考にする雛形が異なるため、記載項目も多様です。基本的には、買主の個人情報、希望する購入価格、金銭の授受に関する情報、引き渡しや現況に関する事項が含まれます。

買付証明書における注意点はこちら

一見すると、『出したもの勝ち』という印象が強い買い付け証明書ですが、いくつかの注意点があります。正しく理解するために、こちらの情報を参考にしてください。特に、買付証明書を受け取った売主が『この金額で必ず売却しなければならないのか』と不安になることもありますが、そのような決まりはありませんのでご安心ください。

必ず買主の希望金額で売却する必要はない

『証明書』という言葉から、何となく強制力があるように感じるかもしれませんが、実際には買付証明書には法的な拘束力は全くありません。つまり、売主は買主が希望する価格で売却する義務もなく、その希望者に必ず売却しなければならないわけでもありません。特に人気のある物件では、多くの購入希望者が現れることもあり、売主としてはどの希望者に売却するか選ぶ権利があります。さらに、買付証明書に記載された購入希望額に基づいて、一番高い金額を提示した人に売却することも可能です。ただし、人気が高いからといって、必ずしも最高価格を追求することが適切とは限らないので注意が必要です。

損害賠償が発生する事案も

強制力や拘束力がないとはいえ、売買契約が進行中の場合、売主または買主が契約を破棄したり問題を起こしたりすると、損害賠償が発生する可能性があります。特に、買主の都合で契約をキャンセルした場合、買付証明書が購入の意思を示すものと見なされることがあるため、過去には売主が買主に対して損害賠償を請求した事例もあります。

信用度につながる

買付証明書を準備することで、「購入したい」という意志を明確にすることができます。しかし、意思表示をした後に「別の物件が気に入った」や「建物が崩壊した」などの理由で自己都合で契約が白紙に戻った場合、過失があった側の信用が損なわれる可能性があります。

買い付け証明書を提出してきた人は購入意欲が高い

一般的に、買い付け証明書が発行されるということは、購入の意志が非常に高いと考えられます。特に人気物件や需要の高い物件では、多くの購入希望者が申し込む可能性があり、それに伴い買い付け証明書も多数集まるでしょう。売主が注目すべきポイントは、単に購入希望金額だけでなく、「他者との差別化が図られているか」という点です。例えば、購入希望金額の他に「売主の希望額に対して要相談」といった文言が記載されているか確認することが重要です。

意思表示をすることで、物件の公開を止めることができる

買付証明書には法的な提出義務はありませんが、口約束ではなく文書で提出されることで、買主の購入意欲を把握することができます。売主は、買い付け証明書を通じて、買主との売買契約に向けた第一歩を踏み出し、物件情報の開示を一時停止することが可能になります。

まとめ

買付証明書は、購入意欲を示すための書類で、法的な強制力や拘束力はありません。売主にとっては、買主の意志を確認し、売買契約に向けた第一歩を踏み出す手助けとなります。多くの書類が必要な不動産売却では、買い付け証明書もその一つです。提出しなかった場合でも問題にはならず、買主の意思表示を確認するツールとして役立ちます。

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