不動産貸し出しの落とし穴
120 空室・滞納・維持費・修繕費・買い替えが困難
1.空室・滞納リスク
ご自宅を貸しに出す場合も、ローンを利用しているのであれば返済は毎月必要になります。
しかし、入居者が決まるまでの空室期間や、入居者が滞納してしまった場合など、何らかの理由で賃料収入が得られないといったリスクを常に存在します。
賃貸に出す際の管理会社との契約内容や、賃貸借契約時に保証会社を利用するといった方法でリスク対策は可能ですが、こうした事態に備え、多少の緊急事態に耐えうる蓄えは手元に残しておかなければなりません。
2.維持費・修繕費がかかる
新たに入居者を迎える際、基本的には都度、室内を手入れする必要があります。
簡易的なクリーニングで済む場合もあれば、設備の交換を伴う大規模なリフォームが必要になることもあります。
物件に備わっている設備が故障した場合、入居者側に過失がなければ基本的に修理費用は全てオーナー持ちですのでこうした出費にも備えておく必要があります。
3.買い替えが困難になる
ローンを利用したまま貸した場合、次に欲しい物件が出てきても、新たにローンを組むのは現実的ではありません。
基本的には現状のローンを完済し、借金を無くした状態で仕切りなおすのが一般的な流れになるでしょう。
そのため、新たにマイホームの購入をするとなると、買い替えを前提に計画を立てる必要が出てきます。
ここで、さらに注意すべき点は、「住むための家」と「賃貸中の物件」は売却価格の値付け方法が全く違うという点です。
基本的に賃貸中のお部屋のほうが安くなります。
「賃貸中のお部屋」を買うのは不動産から収益を得ることを目的にしているわけですから、一般の方ではなく投資家などのプロが前提となりますし、賃貸中の物件は住むための住宅ローンは借りられず、金利の高い投資用ローンでの購入が必要となる点も、価格を下げる圧力となっています。
そのため、貸している間に売るというのはハードルも高く、売却価格も下がりますので貸すことによる最大のデメリットであると言えます。
売るのか、貸すのか、状況に応じ最適解は異なります。
ここまでのメリット・デメリットを踏まえ、ご自身には何が最適であるかのヒントにして頂けますと幸いです。
また、この判断は非常に難しいものですし、実際の判断には売った場合の価格、貸した場合の賃料など、根拠となる情報が必要になるかと思います。
さまざまな面で、検討のサポートをさせて頂きますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。