138.不動産相続の分割法:特徴&注意点!
こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。
不動産の相続は、土地や建物などの財産の分配が現金や預金とは違い、簡単には行えません。
どのように価値を分け、どれくらいの割合で分割するかは、非常にデリケートな問題であり、トラブルの原因となりがちです。
しかし、適切な方法で進めればトラブルを回避できます。
今回は、トラブルを避けながら効果的に遺産を分割する方法と流れを丁寧に解説します。
1.不動産遺産相続でトラブルを避ける!遺産分割のポイントとは
相続トラブルは資産家だけの問題ではありません。
少額の遺産、例えば田舎の土地や古びた実家だけであっても、揉め事が生じることがあります。
現金や預金のように簡単に分割できない不動産の相続は、価値の評価や分割方法に関する意見の不一致がトラブルの原因となりやすいのです。
また、共有での相続も、その後の手続きが煩雑となるため推奨できません。
事前に適切な遺産分割の計画を立てることで、未来のトラブルを回避できます。
まずは、不動産の相続で遺産分割の方法は4つございますので、そちらをご紹介させていただきます。
①現物分割
そのままの形で分割して相続するという手法もあります。
土地の場合は、分筆して各相続人に分け与えることが可能です。
ただし、建物自体を物理的に分割するのは難しいですので、留意しておきましょう。
②代償分割
1人が不動産を相続する代わりに、他の相続人には現金やその他の資産を通じて同等の価値の財産を提供するという平衡の取れた方法です。
これにより、全員が公平に扱われることが保証されます。
③換価分割
不動産を売却し、得られた売却金を相続人全員に公平に分配するという合理的かつ公平な方法です。
これにより、誰もが満足できる解決を見つけることができます。
④共有分割
不動産の形を変えずに、複数の相続人が共有名義として相続するという方法は、家族が共に資産を保有し管理することを可能にします。
この方法で、相続人全員がその財産に関わることができます。
続いて、それぞれの特徴や注意点などをご紹介していきますね。
2.不動産の遺産分割方法ごとの特徴と注意点
不動産の遺産分割方法についてそれぞれの特徴と注意点を知って、状況にあった分割方法を選びましょう。
①現物分割の特徴と注意点
最も基本的でわかりやすい方法は、財産を簡単に分割することです。
ただし、建物の現物分割は不可能であるため、建物のみを相続財産として持つ場合、この方法は利用できません。
土地は分筆して分けることができますが、その価値を保つためには適切なサイズで分割することが重要です。
②代償分割の特徴と注意点
公平性を保ちつつ、不動産をそのままの形で受け継ぐことがこの方法の最大の強みです。
ただし、透明な評価と適切な代償を持っている相続人がいない場合には選ぶことができません。
また、不動産の将来の価値や賃貸収入の可能性といった点でも揉める可能性があるため、事前の合意が重要となります。
③換価分割の特徴と注意点
不動産を売却して現金化することにより、公平に遺産を分割することが可能となるのがこの方法の最大の利点です。
ただし、歴史ある家族の土地や家を手放したくないという願いや、長男夫婦が同居を続けたいという場合には、適さない選択となりかねません。
また、一般的な市場での需要が低い場所や建物では、売却が難しく、換価分割が困難になる可能性があります。
さらに、利益が出た場合には譲渡所得税が課せられるケースもありますので、注意が必要です。
④共有分割の特徴と注意点
不動産を現状のまま受け継げることが、この方法の特長と言えるでしょう。
しかし、今後の増改築や解体、売却に関するプロセスは非常に複雑化し、全ての相続人の合意を得る必要があります。
また、共有名義のまま一人の相続人が亡くなった場合、権利関係がさらに複雑になる可能性があります。
共有分割は、不動産の遺産分割においては推奨できる選択肢とは言えません。
3.不動産の遺産分割と相続の流れを確認
不動産相続がどんな流れで進んでいくのか、順を追って確認しておきましょう。
①相続人の確認
まずは相続人が誰になるのかを確認しましょう。
相続人の人数によって相続税額が、続柄によって法定相続分が決まります。
法定相続人は配偶者と子どもです。
子どもがいなければ孫などの直系卑属、子どもも孫もいなければ両親などの直系尊属、直系尊属もいなければ被相続人の兄弟姉妹となります。
相続人の確認には、被相続人の出生時から死亡時までの戸籍を遡って調査します。
②相続財産の調査、確認
相続の対象となる財産がどのくらいあるのかを調査、確定します。
現金や預金、不動産のほか、証券、保険、借金なども相続財産の対象です。
③遺言書の確認
相続について遺言書が残されている場合、遺言書を優先して遺産分割がなされます。
自宅、法務局、公証役場などに遺言書が残されていないか確認しましょう。
遺言書は体裁が整っていないと、法的な効力を持たない場合があります。
自宅に保管してある自筆遺書はその場で中身を開封して確認してはいけません。
中身の改ざんを防ぐために、家庭裁判所での検認が必要となります。
④遺産分割協議
相続について遺言書が残っていない、または遺言の内容に不満がある場合は、相続人全員の話し合いで分割方法や内容を決定します。
全員の合意により分割内容を決定し、遺産分割協議書を作成します。
⑤相続税の申告、確定申告、納税
相続税が発生する場合は、相続開始(被相続人の死亡)から10ヵ月以内に相続税の申告と納税が必要となります。
相続税の有無は相続財産の総額と相続人の人数などから決まります。
また、換価分割や家賃収入のある不動産を相続した場合は、確定申告が必要になるケースもあるので注意しましょう。
不動産相続で確定申告が必要となるケースについては、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
不動産相続で確定申告が必要なケースと方法、注意点を解説!
⑥相続登記
不動産を相続したら相続登記の手続きをして、所有権名義を変更しておきましょう。
いつまでにという手続きの期限はありませんが忘れがちですので、できるだけ速やかに行うことをおすすめします。
不動産の相続登記の方法については、こちらのコラムをご参考ください。
不動産の相続登記、必要書類はこれ!自分でできる相続の手続き
まとめ
不動産の相続では遺産分割が重要
空き家を売却する方法には「仲介売却」と「業者買取」があり、それぞれ一長一短があります。まずは所有する空き家の特徴をしっかり把握して、どちらの売却方法が適しているか検討してみましょう。
当社でも、空き家など不動産売却のお手伝いをさせていただいております。お困りのことやご相談がありましたら、お気軽にご連絡ください。
不動産の4つの遺産分割方法
不動産の遺産分割方法には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4つの方法があります。
不動産の遺産分割の特徴と注意点
不不動産の4つの分割方法では、
・不動産をそのままの状態で分割するもの
・不動産を相続する代わりに別の財産を渡すもの
・不動産を売却してその売却金を分割するもの
などがあります。
それぞれメリットとデメリットがありますので、不動産や相続人の状況に合わせてどの分割方法が良いのか話し合いましょう。
不動産の遺産分割と相続の流れ
相続が発生したら、相続人の確定、相続財産の確定、遺言書の有無を確認し、遺言がない場合は遺産分割協議によって分割内容を決定します。
相続財産の内容や分割方法によっては相続税の申告や確定申告が必要となるケースもありますので忘れないようにしましょう。