正確な予測が難しい売却金額

016 家探しの基準3点セット②「売れる」

前回に続き、家探しの基準3点セットについて、今回は「売れる」をご紹介していきたいと思います。
先に申し上げますと、この計算、「貸せる」とは違って基本的に収支はマイナスになることが多いです。
ご自身が買ったものを、ある程度使って消耗した後に中古で売るわけですから基本は価値が下がっていることが前提となります。

もちろん、上がる可能性もあるにはあります。
しかし、売却金額の相場というのは、実は賃料相場よりも変動が激しく、経済状況や周辺環境の変化など外的要因による影響を強く受ける為、正確に予測することは非常に困難です。

わかりやすいところですと、数年前のリーマンショックでは直前に比べ価格は大幅に下落しましたし、現在は地域によりましてはリーマンショック以前よりも高値に届いている地域もございます。
さらに、間取り・広さにはトレンドが存在しています。
過去には主流であった2DKは近年1LDKに需要が移っていたり、数年前まで「二人暮らしは40㎡以上が好ましい」と言われていましたが、ここ数年は「間取り次第で35㎡あれば問題ない」という意見が増えてきています。
こういった変化が激しくありますので、売買価格は先行きを言い当てることが非常に難しいのです。

であれば、計画時点では例え正確でないとしても「価格が下がった場合」を想定しておく事で、リスクに備えておくべきであると考えてお話させて頂きます。

前置きが長くなりましたが、この「売れる」の項目では賃料ほどには細かく考えず、ざっくりと「落ちるとしてもこのくらいだろう」という「大凡の底値」を想定するのが最も大切な作業になります。
さらに補足するならば「現在の価格と想定される底値の差がどの程度であるのか」が特に重要です。
差額が小さければ小さい程、優秀な物件であると判断ができる為です。
そしてその差額を見た時、「これならなんとかなる」と思えればその物件の購入は前向きに検討する価値があると思います。

ちなみに、検討している物件の期待できる売却価格については、前回同様にぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
将来の価格を正確に予測することは中々難しいですが、「近隣にあり築年数以外の条件が近しい物件」についてや「地域特有の需要」などの情報提供は可能でございます。
いずれも検討の材料には有用かと存じますのでご活用いただけますと幸いです。

さて、まだもう少しお伝えしたいこともあるのですが、少し長くなってしまいました。
区切りが良いので今回はこのくらいで、次回はここまでの補足を少しさせて頂きつつ、3点セットの最後「自分好み」をご紹介させて頂きます。

不動産のマナビ♪

前の記事

自宅を売るための「知恵」
不動産のマナビ♪

次の記事

重要な3つの媒介契約