245.入院中の自宅売却は可能?〜その2

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

入院中の名義人でも不動産を売却することは可能です。前回の記事では、不動産会社に病院まで来てもらう方法や代理人を立てる方法をご紹介しましたが、他にも子や孫に名義変更してから売却する方法もあります。

ただし、これらの方法は名義人が意思疎通できる場合に限られます。認知症で入院している場合や、意識がなく判断能力が不十分な場合は、別の対応が必要です。

今回は、名義変更後に売却する方法と、判断能力が不十分な場合の対処法について解説します。

子や孫に名義を変更してから売却する

入院中に不動産を売却する方法の一つとして、家や土地の名義を子や孫に変更し、その後で子や孫が売却する方法があります。では、この手続きは具体的にどのように行うのでしょうか。

贈与で名義変更

名義を子や孫に変更する際には、「無償で譲る」という方法があります。ただし、これは「贈与」に該当するため、贈与税が発生します。

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間で110万円を超える贈与に対し、超過分に10〜55%の税率が適用されます。ほとんどの場合、不動産の価額は110万円を超えるため、基本的に贈与税が発生すると考えたほうがよいでしょう。

〈贈与税の計算例〉
●500万円の価値がある家を20歳未満の子に贈与した場合

500万円 - 110万円(基礎控除)= 390万円
390万円 × 20% - 25万円(控除額)= 53万円(贈与税額)

なお、贈与税は贈与を受けた人が納める義務があります。このケースでは、子が53万円を納税することになります。

売買で名義変更

家や土地を子や孫に売却するという方法もあります。売却手続き自体は通常の売却と変わらず、売却益(譲渡所得)が発生した場合、翌年の確定申告で譲渡所得税を納める必要があります。

ただし、この方法にはデメリットもあります。まず、子や孫が購入資金を準備しなければならない点。そして、親から子や孫への売却では、マイホーム売却時に適用される3,000万円の特別控除が受けられない点です。

通常、この特例により譲渡所得から3,000万円が控除され、課税対象となるのは超過分のみですが、子や孫に売却した場合は、譲渡所得全額に対して譲渡所得税が課されます。そのため、売却によって譲渡所得が発生した場合は、親側が譲渡所得税を支払う必要があります。

また、相場よりも極端に低い価格で売却すると、たとえ売却の形をとっていても「贈与」とみなされ、贈与税が課せられる可能性があるため、注意が必要です。

入院中の売主が認知症、または意識がない場合は?

これまで紹介したのは、所有者本人の意思確認が可能な場合の売却方法です。しかし、売主が入院しているかどうかに関わらず、認知症によって判断能力がない場合や意識がない場合、不動産の売却はどのように進めればよいのでしょうか。

成年後見制度を利用する

「成年後見制度」とは、認知症などで判断能力や意思能力が不足していると判断された人が不利益を受けないよう、後見人を選んで支援・保護することを目的とした制度です。

この制度には2つの種類があり、一つは判断能力が不十分とされる場合に適用される「法定後見制度」、もう一つは判断能力に問題がない場合に適用される「任意後見制度」です。後見人の選任方法を見ていきましょう。

〈成年後見人を決める〉

成年後見制度を利用するためには、家庭裁判所に申立てを行う必要があります。申立てが可能なのは、本人、配偶者、四親等内の親族、または検察官などです。

申立てには以下の書類が必要となります。
・申立書
・戸籍謄本
・後見登記事項証明書

加えて、申立て手数料や登記手数料、通信費用も必要です。場合によっては、売主本人の診断書や財産目録が求められることもあります。

〈裁判所の許可を得る〉

申立てが行われると、家庭裁判所で後見人の審理が始まります。申立ての際、後見人候補を提出しますが、必ずしもその候補者が選ばれるわけではありません。裁判所の審理によっては、親族ではなく弁護士や司法書士などが後見人に選ばれることもあります。審判が下り後見人が決定されると、裁判所から審判書謄本が送られ、後見登記が完了すれば手続きは終了です。

後見人が選定されるまで、申立てから審判までに約1~2ヶ月程度の時間がかかります。そのため、売却スケジュールを立てる際は、この期間も考慮することが重要です。

売主に代わって成年後見人が不動産を売却する場合、売買契約を結ぶには家庭裁判所の許可が必要となります。

まとめ

これまで紹介してきたように、売主が入院中や契約に立ち会えない場合でも、不動産を売却することは可能です。しかし、入院中の状況は一人一人異なるため、選択する方法によって必要な手続きが変わります。
円滑に売却を進めるためには、専門的な知識を持つ方に相談することが重要です。

愛媛総合センターは、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。


ローンやお金のこと

前の記事

244.フラット35が利用できない物件とは?利用条件や基準を徹底解説!〜その1