225.よくある不動産相続トラブルとその解決策を事例を交えて解説〜第2回

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。
相続財産に不動産が含まれる場合、トラブルが発生しやすい傾向があります。その理由は、不動産が簡単に分割できないためです。これは不動産の価値に関わらず起こるため、資産家だけの特別な問題ではありません。家族間での争いを避けるためにも、相続トラブルの代表例や対策を事前に理解し、備えておくことが重要です。それでは、不動産相続が原因で起こるトラブルの具体例とその解決策を見ていきましょう。

事例1:相続人同士でトラブルになるケース
相続時には、相続人の数が増えるほどトラブルの可能性が高まります。特に不動産が遺産として含まれる場合、分割方法について意見が一致せず協議が難航するケースがあります。さらに、親に離婚歴があり、認知されていた子どもや前妻との子どもが現れると、相続分が減るため、遺産分割協議が振り出しに戻ることもあります。
【解決策】
親に離婚歴がある場合や愛人がいる可能性がある場合、本人にあらかじめ事実を確認しておくことが重要です。また、相続人が多かったり、遺産に不動産が含まれるケースでは、法定相続だけでは解決が難しい場合があります。その対策として、遺言書の作成が推奨されます。相続トラブルを回避するためにも、親が健在のうちに遺言書の作成を依頼しておくとよいでしょう。
事例2:相続した不動産を平等に分けようとするケース
兄弟姉妹間の仲が良くても、相続ではトラブルが起こることがあります。特に、平等に分割しようとするあまり、かえって意見が対立して揉めるケースがあります。不動産は、均等に分けることが難しい資産であるだけでなく、評価額の基準が複数あり、どの基準を採用するかで意見が食い違うことが原因となることがあります。
【解決策】
不動産を平等に分割するには、大きく分けて「換価分割」「現物分割」「共有分割」という方法があります。
・換価分割
換価分割とは、相続不動産を売却し、その売却代金を相続人で分配する方法です。この方法は、3つの分割方法の中で最もトラブルを避けやすいとされています。例えば、相続人が3人の兄弟で、不動産を2,000万円で売却した場合、売却費用として200万円を差し引くと、残りの1,800万円を3人で均等に分け、それぞれ600万円ずつ受け取ることができます。
・現物分割
現物分割とは、相続する土地をそのまま分ける方法です。3人兄弟が相続する場合、土地を3つに分筆し、それぞれの所有とします。この方法は売却の手間が省け、財産をそのまま引き継げる利点があります。しかし、分筆後の土地の方位や形状、接道位置が異なるため、面積が同じでも価値に差が生じることがあります。そのため、完全に公平に分割できる土地は非常に稀です。さらに建物が建っている場合は分筆が難しく、更地であっても宅地規模では分筆後に狭小地となり、有効活用が難しくなり評価額が下がることがあります。
・共有分割
共有分割は、1つの土地を複数の相続人で共有名義にして相続する方法です。たとえば、3人兄弟が相続する場合、各自の持分は3分の1ずつとなります。この方法では平等に相続できますが、土地を活用する際にはいくつかのデメリットがあります。売却や建築には全ての共有者の同意が必要で、一人でも反対すれば何も進まなくなります。また、相続が次の世代(子どもや孫)に引き継がれると、共有者が増え、土地活用がますます難しくなります。さらに、固定資産税の支払いでもトラブルが生じる可能性があります。共有不動産の固定資産税は、各共有者の持分に応じて課税されるのではなく、共有者全員で「連帯納付義務」を負うため、代表者は全員から税金を徴収しなければならず、非常に手間がかかります。また、誰かが滞納すると代表者が立て替えなければならず、不便を感じることが多いです。共有分割は、遺産分割が難航した際の解決策として用いられることが多いですが、これらのデメリットを考慮すると、最適な方法とは言えません。
事例3:不動産を相続すると不均衡が起こるケース
親と同居していた子どもは、親が亡くなった後もその家に住み続けることが一般的です。住み続けるために、実家の土地や建物を相続したいと考えるでしょう。しかし、相続人が他にもいる場合、相続分に関して意見が分かれることがあります。その相続不動産が一定の価値を持ち、かつ他に大きな相続財産がない場合、トラブルになる可能性が高まります。
【解決策】
相続人が複数いる場合でも、不動産を一人の名義にしなければならないケースでは、相続した不動産の価値に相当する現金を他の相続人に支払う「代償分割」が適しています。例えば、3,000万円の不動産を3人兄弟の長男が相続する場合、長男は他の2人の弟に1,000万円ずつ支払うという方法です。この方法では、不動産を相続する人が支払うための現金や資産を持っていることが前提となります。しかし、相続する不動産の評価額については争いが生じることがあり、代償金額を巡る意見の相違が起こることも少なくありません。評価額は、「相続税評価額」か「代償分割時の時価」のいずれかを採用する必要がありますが、相続税評価額は市場価格の約80%程度であるため、これを基にした場合、代償金を受け取る側が納得しないことが多いです。実際には「代償分割時の時価」が採用されることが一般的です。同居していた子どもが親の家に住み続けることを望んでいる場合、将来的に代償分割のための資金が用意できないと予想される場合には、早期に他の相続人と協議し、理解を得ることが重要です。また、親が元気なうちに遺言書を作成してもらうことも、トラブルを避けるための有効な手段です。
【代償分割の注意点】
代償分割を実施するには、遺産分割協議書に金銭の譲渡が代償分割によるものであることを明記する必要があります。誰がどの遺産の代償として、いくら支払うかを明確にしないと、他の相続人に支払われた金銭が贈与と見なされ、贈与税が課税される可能性があります。また、代償分割で現金の代わりに相続人が所有している不動産を譲渡する場合、その不動産を渡す側に譲渡所得税がかかる点に留意しなければなりません。見た目は不動産の交換のように思えても、税法上では負債を返済するために不動産を売却したとみなされるからです。
事例4:誰が不動産を相続するかで揉めるケース
親が住んでいた実家が相続財産の中で最も高価な不動産であるケースはよくあります。しかし、その不動産が相続財産の中で占める割合が大きい場合、相続を巡るトラブルが発生しやすくなります。特に、親と同居していた子どもがいる場合、不動産の相続を強く主張することが一般的です。例えば、相続人が子ども3人の場合、財産を3分の1ずつ相続するのが原則ですが、親と長年同居していたり、世話や介護をしてきた子どもにとっては、「何もしてこなかった兄弟と同じ割合で相続するのは納得できない」と感じるのも理解できます。民法には、こうした貢献を遺産分割に反映させる「寄与分」という制度があり、特別な貢献をした相続人は、他の相続人より多くの財産を相続できる可能性があります。また、民法改正により、法定相続人以外の親族でも特別な寄与をした場合、特別寄与料を請求できるようになりました。例えば、長男の妻が長期間親の介護をしていた場合、彼女も不動産の相続を主張する権利が生じることがあります。このように、介護や世話が評価されるようになったため、貢献度に対する認識の違いがトラブルを引き起こすことがあります。
【解決策】
親としても、介護をしてくれた子どもやその家族には感謝していることでしょう。しかし、その感謝の気持ちだけでは、相続に反映させることは難しい場合があります。特に、親の資産の大部分が自宅の不動産である場合、同居している相続人は親とよく話し合い、遺言書を作成してもらうことが重要です。かつては自筆証書遺言は全文を手書きで書く必要がありましたが、民法改正により、財産目録をパソコンで作成することが認められるようになりました。この改正により、遺言書作成の負担が軽減されました。さらに、遺言書の保管には法務局を利用することができ、紛失や改ざんのリスクを避けることができるため、安全に遺言書を残すことができます。

まとめ
本記事では、相続トラブルの例を4つの事例でご紹介しました。理想的には円満な家族関係であれば、相続も順調に進むことが多いですが、さまざまな事情や感情によってスムーズに進まない場合もあります。その他にもよくある相続トラブルのケースがありますので、次回も引き続き事例とその解説をご紹介していきます。
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