224.土地の実勢価格とは?公示地価や路線価との違いを詳しく解説

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イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

不動産を売る際に最初に調べるべきことは、相場であることが多いでしょう。その際、「実勢価格」という言葉を見かけることがあるかと思います。実勢価格とは、不動産が実際に取引された価格を指します。また、公示地価や基準地価など、土地の価格指標も存在しています。それぞれの意味を知ることで、不動産市場の理解が深まります。この記事では、土地の実勢価格の特徴や調べ方、そして他の価格との違いについて詳しくご紹介します。

土地の実勢価格とは

「実勢価格」は土地の売買において非常に重要な指標となります。相場に近い価格であるため、土地を売買する際にはその理解が必要です。

1.実勢価格とは、実際の取引価格

実勢価格とは、市場で実際に取引された価格であり、過去の取引実績を基に算出されます。これは周辺土地の資産価値を測るための参考指標となり、不動産会社が土地価格を決定する際にも用いられます。需給バランスによって変動する時価に近いもので、土地に需要があれば価格が上昇し、市場価格も高くなる可能性があります。ただし、実勢価格はあくまで過去の取引平均であり、年月が経つことで地価が変動する可能性があるほか、土地の形状や向きなどの条件によって価格差が生じることもあります。目安にはなりますが、未来の取引価格を保証するものではない点に留意しましょう。また、SUUMOやHOME’Sなどの不動産ポータルで表示される価格は売主が設定した販売価格であり、値引きが行われることもあるため、実勢価格とは異なります。

2.国土交通省のデータベースで調べる

土地の実勢価格を調べるために最も一般的な方法は、国土交通省が提供する「土地総合情報システム」を利用することです。このシステムを使えば、特定の地域を指定して過去の取引データを調査することができます。土地総合情報システムでは、次のような情報を確認できます。

  • 地域、最寄駅、取引額
  • 坪単価、面積、前面道路
  • 都市計画、建ぺい率、容積率
  • 取引時期

他にも土地の実勢価格を調べる方法は存在します。

3.レインズで調べる

「レインズ」は、全国の不動産情報が掲載された宅建業者専用のシステムで、業者のみが閲覧できます。しかし、「レインズマーケットインフォメーション」というサイトでは、一般向けに過去の成約情報が公開されており、2020年3月時点で11万件以上の取引情報を検索することが可能です。

リアルタイムでの更新はされていませんが、土地周辺の過去の取引データを基に実勢価格を推測することができます。

4.不動産会社に査定してもらう

不動産会社に査定を依頼する方法もあります。査定額は「売却価格を保証するもの」ではありませんが、周辺の相場を参考に、土地の特徴を考慮した上で適正な価格を導き出してくれます。複数の不動産会社の査定額を一度に比較できる一括査定サイトを利用すれば、相場と照らし合わせて価格の妥当性を確認できるので非常に便利です。紹介した3つの方法はすべて無料で利用できます。

国・都道府県が公表している3つの土地価格

実勢価格を調べると、サイト内で「公示地価」「基準地価」「路線価」といった言葉が目に入ることがあります。これらはすべて公的機関が公表している土地の価格ですが、実際に取引された価格である実勢価格とは異なります。この3つの指標の特徴と役割を見ていきましょう。

①公示地価とは

公示地価は、国が調査した土地の価格の目安です。調査は全国の2万6,000地点以上の「標準地」で行われ、1月1日時点を基準に、2人以上の不動産鑑定士が鑑定します。その後、国土交通省土地鑑定委員会が審査を行い、毎年3月下旬に発表されます。公共事業のための土地取得時にはこの価格が基準となり、実勢価格は一般的に公示地価の1.1〜1.2倍程度とされています。公示地価の目的は、一般の土地取引価格に指標を与え、適正な地価の形成を促進することです。異常な地価上昇は国民経済に悪影響を及ぼしたり、公共事業の進行を妨げる恐れがあるからです。公示地価は、国土交通省の「地価公示・都道府県地価調査」で確認できます。地価は住宅地、商業地、宅地見込地などに分類され、毎年同じ地点の価格が公示されるため、地価の変動が簡単に把握できます。ただし、調査地点は都市やその周辺に限られており、都市周辺以外の地価は「基準地価」で調べる必要があります。

②基準地価とは

基準地価は、都道府県が選定した基準地の1㎡あたりの土地価格です。調査主体は各都道府県で、調査日は毎年7月1日と定められています。全国2万地点以上の基準地に対して、不動産鑑定士が1名以上で評価を行い、その結果は9月下旬に発表されます。基準地価の主な目的は、公示地価と同じく適正な地価を形成することです。公示地価とは異なり、基準地価には「都市やその周辺地域」に限定された制約がないため、都市周辺以外の地域の地価も把握できる点が特徴です。基準地価についても、国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」で確認できます。

③路線価とは

路線価とは、道路に面した土地の1㎡あたりの価格を指します。調査は国税庁が行い、毎年1月1日時点の評価が7月1日に公表されます。路線価は、公示地価や実勢価格、不動産鑑定士の評価などを基に算出されます。税金の計算基準として利用されるため、土地の価格を知る指標としてはあまり一般的ではありません。通常、「路線価」と言う場合は、国税庁が発表する「相続税路線価」を指し、相続税や贈与税の計算に使われます。一方、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税の計算には、市町村(東京都の場合は都)が発表する「固定資産税路線価」が使用されます。いずれも公示地価に関連しており、相続税路線価は公示地価の約80%、固定資産税路線価は約70%となっています。路線価は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で調べることができます。

実勢価格と国や自治体が公表する地価の違い

公示地価・基準地価・路線価と実勢価格では、価格の持つ役割や算出方法、更新スピードなどが異なります。

それぞれの違いを把握すれば、価格を適切に活用できるようになります。

①国や自治体の出す価格は目安

公示地価や基準地価といった国や自治体が公表する価格は、あくまで目安であり、実際の市場での取引価格とは異なります。所有している土地のおおまかな評価額を知る指標にはなりますが、必ずしも実勢価格と一致しない点を理解しておきましょう。ただし、地方などで取引事例が少ない場合は、基準地価や路線価が査定に使われることもあります。

②実勢価格は実際の取引価格

土地の売買を行う際に、ぜひ確認しておきたいのが実勢価格です。これは実際の取引価格を基にした価格で、市場価格に近いため、公的な価格よりも取引時の参考になります。実勢価格の調べ方としては、先にご紹介した3つの方法が一般的なので、使いやすい方法を選んで確認しましょう。

③最新の地価を知るなら実勢価格

国や自治体が発表する公示地価、基準地価、路線価は、調査から公表までに数カ月の期間を要します。それぞれの評価時期と発表時期を以下で確認しておきましょう。

  • 〈公示地価〉評価時期:1月1日/発表時期:3月下旬
  • 〈基準地価〉評価時期:7月1日/発表時期:9月下旬
  • 〈路線価〉評価時期:1月1日/発表時期:7月1日

これらの指標は評価時期から公表まで少なくとも2カ月以上かかるため、タイムラグが生じます。これに対し、実勢価格は過去の取引実績を基に平均価格が常に更新され、リアルタイムで確認可能です。この更新速度の違いを理解しておきましょう。

まとめ

今回は、土地の実勢価格の特徴や調べ方に加えて、国や自治体が公表する各地価の指標について解説しました。土地の売買は大きな資金が動く取引です。公示地価、基準地価、路線価、実勢価格の役割と違いをしっかり理解した上で、取引に臨みましょう。

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