定番!3種類の売出価格
055 売却活動を始めるにあたり、不動産会社が用意した査定資料を基に売出価格を検討します。
価格を決めるには、以下の3種類があります。
1.最低価格
2.売れる価格
3.売りたい価格
1.最低価格
「ここまで下げればすぐ売れる価格」か、
「下回ってしまうと売れない、売る意味がないといった下限」
のいずれか高いほうになるかと思います。
住宅ローンの残債がある場合は、大きな判断基準になるでしょう。
基本的には、下限価格は下記のような式になります。
「ローン残債+売却時に必要な費用-支出可能な現金」
ローン残債が1,800万円、諸費用50万円、手持ちは80万円だとすれば、
「1,800万円+50万円-80万円=1,770万円」となり、少なくとも1,770万円以上であれば売却は可能です。
ただ、その金額で売ってもいいかどうかは別途意思決定を要するということですね。
2.売れる価格
基本的には不動産会社の査定額が該当します。
※高額査定には要注意
※ちなみに、査定価格は「おおよそ3ヵ月以内に成約できるであろう価格」とされていることが多いです。
3.売りたい価格
売主様が希望される売却価格です。
この3種類について不動産会社と相談をする必要があります。
通常、この3種類の価格は番号順に高くなっていきます。
「1」が最も安く「3」が最も高くなります。
もちろん「3」を追求するのが理想ではあります。
しかし、状況に応じて戦略を立てる必要がありますので、3種類すべてを把握しておくことは大切な作業なのです。
例えば、2ヵ月以内に売らなければならない場合を想定してみましょう。
この場合、期限が迫っており「2」で想定されている「3ヵ月」よりも販売可能期間は短くなっています。
それよりも短期間で成約をする必要がありますので、少なくとも「2」と同等か、多少安くしておくべきであると言えます。
しかし、多くの売主様はチャンスを期待されていますので、妥当な価格なのであれば少なくとも「2」でスタートしたいと考えられます。
これ自体は問題ありません。
しかし期限は短い。
このようなときは、事前に値引きを判断する時期と価格を決めてしまうのがおすすめです。
「最初はチャンスを期待し相場相応の「2」で販売スタート」
「1ヵ月後、期限も1ヵ月を切るため価格を〇割落とす」
といったように事前にスケジュールを決めておくのです。
ちなみに、もしも1ヵ月後に値下げを検討するとなった場合には、「1」を思い出して頂き、少なくともそれ以上の価格は維持しておく必要があります。
3種類の価格を決めておくことで、上記の例のように、状況に応じた判断がスムーズにできるようになります。
複数の査定資料に目を通すときや、売出価格の検討時には、ぜひこの3種類の価格をご検討ください。