買い手の気持ちで見る査定価格
034 査定価格に影響する条件とは?
例①:マンション編
・眺望
・方角
・駅からの距離
・マンションの「グレード」
・築年数
・時点修正(過去の取引や新築価格からどの程度経過しているか)など
例②:一戸建て
・道路の広さや種類
・土地の形
などが影響しますが、他にもたくさんの項目があります。
査定方法については、公益財団法人不動産流通推進センターが提供する「既存住宅価格査定マニュアル」が一般的に広く使われています。
査定対象となる不動産の各要素について、それぞれをポイント化し、その不動産のセールスポイントとウィークポイント点数色で浮彫りにしていきます。
結果、最終的に算出された点数をもとに査定をしていくのです。
不動産会社も大きい会社になればなるほど、細分化して点数をつける査定を好む傾向にあります。
扱う物件数も多いため、ある程度システム化し社内基準を設けたほうが、効率がいいからです。
査定をする人が価格の根拠を説明しやすいというのも理由の1つです。
このような定量的(数字を元に理論的に説明)な方法も大事ですが、それに加えてもう一つ重視すべきことがあります。
それは、「いま、市場で競合となる他の売り出し中の物件が、どのくらいあるのか?」ということです。
定量的な査定アプローチは、査定対象物件の価値を理論的に把握することに役立ちます。
しかし、買い手の目線や気持ちから現場を考えると、「理論」よりも大切なことがあると思っています。
同じマンションや、近隣エリアで、安く売り出されている物件がある場合などは、理論的に正しい査定価格で売り出したとしても、高く見えてしまいます。
逆に、売り出し物件が少ないエリア、マンションであれば、少々高めの設定で売り出しても、際立った高値感が出にくいのです。
このように、「他物件との比較において、買い手からどう見えるか?」という観点が、不動産売買を行う上で一番重要なポイントとなります。
査定価格は不動産鑑定価格ではありません。
皆さんが依頼する査定の目的は、取引が成立するであろう価格がいくらぐらいなのかを知ることだからです。
買う人が定量的な項目から理論的に買う価格を決めているケースは少ないのです。