170.古家の売却・買取方法と活用術
こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。
古い実家の処分に頭を悩ませていませんか? 築30年以上の住宅は老朽化が進み、売却が困難に思えます。
でも解体して更地にするのが最善とは限りません。
事例を交えて、古い家の売却の可能性と、解体のデメリットをご説明します。
意外と知らない?古い家の解体にはデメリットがある
古い家を更地にすれば売却しやすいと考えがちですが、実はそれにはデメリットがあることを知っていますか?
老朽化した住宅を活用せずに解体更地にすると、大きな損失を被る可能性があるのです。
デメリット①更地にすると固定資産税が6倍に
古い家を残しておくと固定資産税が大幅に軽減されるメリットがあります。
建物がある土地は、最大で6分の1まで軽減措置を受けられます。
しかし、自治体から「特定空家」と指定されれば、この特例は適用されなくなり、更地とほぼ同額の税負担になってしまいます。
したがって、適切なメンテナンスを行い、家を適切な状態に保っておけば、売却時まで節税できるのです。
デメリット②再建築不可物件を更地にすると家が建てられない
デメリット②再建築不可物件を更地にすると家が建てられない
築年数の古い物件の中には、接道義務を満たしていない「再建築不可物件」が存在します。
こうした物件は建築基準法上、リフォームは可能でも解体後の新築はできません。
新築不可の土地は資産価値が低く、相場を大幅に下げても買手がつかないリスクがあるのです。
デメリット③解体費用がかかる
古い家を更地にする際は、建物解体費用のほか、塀や庭木の撤去費用、更地の整地費用など、様々な出費が発生します。
こうした費用負担は、更地化のデメリットと言えるでしょう。
築年数の古い家でも売却できる4つの事例
日本では新築住宅の人気が高く、中古住宅のシェアは諸外国に比べて極端に低い状況が続いています。
しかし近年、既存住宅の流通割合は徐々に上昇しており、築年数の経った家でも売却されるケースが増えつつあります。
このような変化が見られる要因には何があるのでしょうか。
1. 立地に魅力がある
築年数の古い住宅でも、立地条件によっては魅力的な物件となり得ます。
都心部のビル街に残る古い家は、利便性が高く価格も手頃なため売却しやすくなります。
一方、郊外の古い一軒家は、農業や自然を求める人々に人気があります。
このように多様化するライフスタイルに合わせて、新築にこだわらず古い家を選ぶ人が増えているのです。
2. 古い建物自体に魅力がある
現代の住宅は無機質なサイディング外壁が主流ですが、
一方で伝統的な自然素材を用いた古民家にも人気が集まっています。
土塗り壁や焼き杉板の外壁、柱や梁が露出した真壁造りなど、
今では再現が難しく費用もかかる古民家の工法に魅力を感じる人が増えているのです。
3.用途変更によって再生可能である
古い家は住宅としてだけでなく、店舗や事務所としての活用も可能です。
大型ビルのテナントではなく、小さな空間を自分好みにリノベーションしたいというニーズが存在します。
立地や環境など、条件の合う築古物件を求める人も少なくありません。
4.買取専門の業者に売却する
築年数の経った家でも、新たな用途に転用することで価値を再生させる例が数多く見られます。
店舗やホテル、介護施設、アパート、シェアハウスなど、様々な活用方法が検討されています。
ただし個人で新規需要を見つけるのは難しく、
そこで全国的なネットワークを持つ中古住宅の買取専門業者に売却すれば、
最新の需要動向を踏まえた最適な活用方法が提案されます。
買取価格は安値ですが、需要がつかない事態を考えれば有効な選択肢となるでしょう。
築年数の古い家が敬遠される6つの要因
この20年で日本の空き家は820万戸にまで増加しましたが、その中に売却できずに残されている築古住宅が相当数含まれています。
空き家の増加要因として、古い家が売れにくい実情があることがうかがえます。
一体なぜ古い家は売れにくいのか、その理由を探っていきましょう。
1. 耐震性能に不安がある
地震の多い日本では、大規模震災を機に建物の耐震基準が大幅に強化されてきました。
しかし、昔建てられた古い家には、現行基準を満たしていないものが多数あります。
構造用合板やホールダウン金物などの耐震資材が使用されていない物件もあり、地震に対する安全性が十分でないためです。
味わい深い和風建築とはいえ、耐震性能が低ければ買主を見つけるのは難しくなります。
2. 構造材が腐朽している可能性がある
築年数の経った古い家では、構造材の木材がダメージを受けている可能性があります。中でも大きな原因となるのが水による腐食です。雨漏りや水漏れなどで木材が長期間湿っていると、腐朽が進行するだけでなく、シロアリにも蝕まれやすくなります。目に見えない部分で木材が朽ちているリスクがあり、購入希望者にとって不安要素となるのです。
3. 断熱材が入っていない
築年数の古い家は、断熱材が一切入っていないことがあります。
木造住宅の場合、壁や床に断熱材が入っていないと、寒さや暑さが直に伝わってきますので、冬の底冷えや夏の猛暑を懸念して購入を敬遠することがあります。
4. 設備機器がいつ故障するか分からない
古い家屋では建物そのものが古いだけでなく、設備機器も旧式のものが使われている場合が多くあります。
入居後に故障して買い替える必要が出てくれば、予期せぬ出費が発生してしまいます。
そうした追加の負担を危惧して、古い家の購入を渋る人々が存在します。
5. 再建築不可物件である
建て替えや増改築が認められない再建築不可物件では、いくら年数が経過しても最終的にリフォームしか選択肢がありません。
しかしながら、リフォームの許可範囲が不明確なため、買主を見つけるのが難しい状況にあります。
6. 敷地境界があいまい
古い住宅では、隣地との敷地境界が明確に確定されていないケースが多くみられます。
地元の顔なじみなら問題が起きにくいものの、土地の売買で所有者が変わると、
あいまいな境界がトラブルの原因となる可能性があります。このような不安材料があるため、なかなか買主を見つけられずにいます。
古い家の売却には購入希望者の不安を払拭すること
古さが魅力の古い家には、価格の手頃さも相まって、その購入を希望する人々が多数存在しています。しかしながら、先に挙げたような様々な不安要素が解消されれば、さらに古い家の売買が進展する余地は大きいはずです。
ではその不安をどう払拭すればよいのでしょうか。
①土地家屋調査士に依頼して境界確定
長年経過した古い家では、旧来の測量技術や未測量のため、正確な敷地面積や境界線が定まっていないケースが多くあります。
そういった場合、土地家屋調査士による再測量と、隣地所有者同席の下での境界確定が不可欠です。
加えて、境界確認書の取り交わしで、将来の購入者の懸念も和らげることができます。
②建築士に依頼して用途変更のリノベーション
購入希望者の希望する用途に合わせてリノベーションし、店舗化や宿泊施設化を図るのも一案です。その際は建築士に相談し、古い柱や間仕切りなどの撤去が可能かどうかを確認することが大切です。100平方メートル以上の大規模用途変更には建築確認申請が必須ですが、建築士に依頼すれば手続面でのアドバイスを受けられます。
③ホームインスペクターに依頼して不安を解消
ホームインスペクターとは、住宅の欠陥や劣化状況を第三者的立場から診断・アドバイスする有資格者のことです。売主がホームインスペクターに依頼すれば、事前に住宅の状態を把握し、不備があれば修繕を施した上で売却できます。また不備を開示しておくことで、後に契約不適合責任を問われるリスクも軽減されます。一方、購入希望者側もホームインスペクターの診断結果を参考に、住宅の実態を知ることができ、許容範囲内かを判断できます。こうしたホームインスペクターの活用は、売主・買主双方にメリットがあります。
まとめ
古い住宅に対する購入意欲の低下は、中古住宅全体への信頼性の欠如が一因だと考えられます。築年数が長くなればなるほど、朽ち具合や修繕工事の必要性、今後の維持管理コストなどについての不安が大きくなりがちです。
しかしながら、築年数だけを基準にするのではなく、立地条件や今後の用途変更の可能性など、総合的な視点から評価していく必要があるでしょう。例えば、交通アクセスの良好な閑静な住宅街ならば、取り壊し工事が不要な古い一戸建てでも、購入者が見込める可能性があるでしょう。
また専門家による適切な査定・調査は、購入者の不安感を払拭し、信頼性を高める効果が期待できます。築年数の長い住宅であっても、詳細な状況把握と今後のビジョンを提示できれば、需要は見込めるはずなのです。なかでも不動産中介業者の役割は大きく、古い住宅市場の活性化にも資するでしょう。
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