169.人気のない田舎物件の適切な処分

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です。

田舎の家を売却したくてもなかなか売れないでいる方は多いでしょう。

地方の物件は仲介で販売しても、値下げを重ねても売れにくい傾向にあります。
そのような時には、別の売却方法として「買取」を検討するのが良いかもしれません。

田舎の物件が売りにくい3つの理由

理由①老朽化が進んだ建物が多い

相続による田舎の物件は、老朽化が著しく機能面でも大幅な改修が必要なケースが多いです。外観の荒れや水まわり、キッチンの古さなどから住みたいとは思えず、さらに1981年の新耐震基準を満たしていないものも少なくありません。無料で相続したり格安で購入しても、住める状態に改修するには多額の費用を要します。リフォームやリノベーション、耐震工事が不可欠となるのです。

理由②依頼できる不動産会社が少ない

地方の中古住宅は、仲介手数料が低額なため、不動産会社から積極的な販売活動が期待できません。例えば、100万円の物件であれば、仲介手数料は上限18万円と低額です。(※2018年の宅建業法改正により、「低廉な空き家等の売買」で得られる仲介手数料の上限は18万円に)広告費や内覧対応の手間を考えると、不動産会社にとってコストに見合わない営業努力になりがちです。結果として、長期にわたり売れ残る空き家が増加しているのが実情で

理由③価格が安くても維持費はかかる

田舎の中古物件は、購入価格が安くても維持費がかさむのが特徴です。バブル期のリゾートマンションでは、固定資産税、管理費、共益費、修繕積立金に加え、温泉地の場合は温泉使用料の支払いも必要となります。物件価格が10万円でも、こうした維持費で毎月10万円近くかかる例もあり、定期的な清掃やメンテナンスのコストも無視できません。安値だけでは売れ行きが芳しくないのが実情です。

田舎の物件は、どうすれば売れるのか

とはいえ、田舎の物件の売却は決して不可能ではありません。

次のような対策が、適切な売却につながります。

1. 使いやすい物件にリノベーションする

賃貸用物件として中古物件を売却したい場合は、リフォームやリノベーションを行うことが有効です。

古く設備の古い物件には入居希望者が少ないため、壁紙や床の張替え、外壁や屋根の塗装など、最低限の改修を行い、良い第一印象を与えることが重要です。
費用は100万円程度で収まる場合もあります。

若年層の入居を狙うなら、その層に訴求するリノベーションを心がけるのも一案でしょう。
場合によっては、「リノベーション可/ご自由にどうぞ」とアピールするのも効果的かもしれません。

2. 自由に使えるよう更地にする

多額の費用をかけてリノベーションしても、物件が売れるかは不透明です。そうした場合、建物を解体し更地にして売却するのも一つの選択肢です。

木造住宅の解体費用は150万円前後と言われており、更地の土地なら購入者が自由に活用できるメリットがあります。

場合によっては「解体費用は売主負担」という条件を付けて売り出すことで、同様のニーズを持つ層に訴求できるかもしれません。

3.田舎の物件の売却が得意な不動産会社を探す

不動産会社によっては、差別化のため田舎の物件の売買やリノベーションに特化する動きがあります。中にはインターネットを通じて「1円不動産」と銘打ち、積極的な宣伝を行う会社もあり、一時期話題になりました。古い家の処分に困った際は、そうした得意分野の不動産会社に相談するのが賢明な選択肢となるでしょう。

売れない場合は業者買取も検討

地方の物件は需要が少なく、様々な手段を講じても一般個人への売却が難航することもあります。中でも広い戸建ては、ニーズが限られているため買主を見つけるのが困難な場合があります。そのような時に活用できる選択肢の一つが、不動産会社による物件の買取サービスです。

1. 不動産会社の買取は現金化が速い

物件の現金化を希望する際、不動産会社の買取サービスを利用するのが手っ取り早い方法です。

通常の売却では内覧や契約など複数のプロセスを経る必要があり、2~3カ月を要します。
一方、買取では査定額に同意するだけで済むため、わずか2週間程度で現金化が可能です。

スムーズな資金獲得を求める場合、買取は有力な選択肢と言えるでしょう。

2. 不動産会社には、物件の活用ノウハウがある

個人では物件の売却や賃貸以外の活用が難しいのに対し、不動産会社には様々なノウハウがあります。戸建てをリノベーションしてシェアハウス化したり、ペット飼育可能な専用物件に特化させたりと、収益化に向けた工夫が可能です。さらに木造の古いアパート物件でも、近隣の工場と連携し従業員寮や外国人労働者寮として運営するなど、会社のネットワークとノウハウ次第で収益化の道が開けます。そのため、扱いが難しい物件でも買い取られるケースがあるのです。

3. 買取だと、売却価格自体は下がる

不動産会社による買取は、個人売買に比べて安値での取引になります。その理由は、リノベーション費用や会社の利益分が買取価格から差し引かれているためです。例えば市場価格1,000万円の物件でも、会社は700万円程度で買い取り、100万円をかけてリフォームすれば1,300万円で売却できます。田舎の需要が極端に低い物件は数万円や無料で引き取られるケースもあり、放置すれば維持費の負担が続きます。買取金額は安くとも、早期現金化と将来の維持コスト削減につながるメリットがあるため、状況に応じて検討する価値があります

まとめ

地方や過疎地域では、古い戸建て住宅の売却が難しい事例が多くあります。建物の老朽化と需要の乏しさがその要因です。

仲介業者を介した一般売却を試みる場合、リノベーションによる内外装の改修や、更地化など、購入者の目を引く工夫が必要不可欠です。

それでも売れない場合に選択肢となるのが、不動産会社の買取サービスです。
今後の維持費や手間を考え、最適な売却方法を選ぶことが重要になります。

愛媛総合センターは、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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