028.空き家の維持費はこんなにかかる!維持費の内訳と手放す方法を解説

こんにちは!
イエステーション愛媛総合センター| 今治店の川又です

親や親戚から相続したままになっている空き家はありませんか?

空き家は使用していなくても、所有しているだけで維持費がかかります。
空き家の維持費はどのくらいなのか正しい情報を得て、具体的にシミュレーションしてみましょう。

1年間の維持費を見て、維持をし続けるのか手放すのかを考えてみましょう。
手放す場合の処分方法もあわせてご紹介します。

空き家の維持費は1年で30万円以上かかるケースも!

誰も住んでいない空き家だからといって、放置して朽ちていくままにはしておけません。
「来年は家族の誰かが住むかもしれない」「誰か借りてくれる人がいれば賃貸に出したい」と考える方もいるでしょうし、そうでなくても崩れて通行人や地域の人に怪我をさせてしまっては大変です。

手入れのされていない廃屋が不審者のたまり場になるケースもあり、防犯上もよくありません。
使っていない空き家だとしても、定期的な管理が必要となるのです。

もちろん、所有していることにより固定資産税などの税金もかかります。

空き家の1年間の維持費を計算してみましょう。
例えば面積が150㎡の土地で、土地の固定資産税評価額が1,500万円、建物の固定資産税評価額が500万円の空き家のケースで考えてみましょう。

  • 土地の固定資産税:1,500万円×1/6×1.4%=3.5万円
  • 土地の都市計画税:1,500万円×1/3×最高0.3%=1.5万円
  • 建物の固定資産税:500万円×1.4%=7万円
  • 建物の都市計画税:500万円×最高0.3%=1.5万円
  • 管理に必要な電気代:年間約1.2万円
  • 管理に必要な水道代:年間約1.8万円
  • 火災保険料:年間約12万円
  • 地震保険料:年間約5万円

合計:約33.5万円

誰も住んでいない空き家を所有しているだけで、その維持費は1年間に30万円以上もかかってしまいます。
(※税額や各費用は条件等によって異なります。)

空き家維持費の計算方法を解説。その他に可能性のある費用も確認

ご紹介した空き家の維持費の内訳について解説します。

固定資産税

空き家の維持費で必ずかかるのは固定資産税です。
税率は土地と建物の固定資産税評価額に対して1.4%です。

家が建っている土地の固定資産税については住宅用地の特例があります。

  • 小規模住宅用地の特例:土地の面積の200㎡以下の部分は、評価額が課税標準×1/6となる
  • 一般住宅用地の特例:土地の面積の200㎡以上の部分は、評価額が課税標準×1/3となる

都市計画税

都市計画法により、市街化区域に指定されているエリアにある土地や建物については都市計画税がかかります。
税率は自治体ごとに異なりますが、固定資産評価額に対し最大で0.3%です。
ちなみに札幌市は0.3%です。

土地にかかる都市計画税に対しても住宅用地の特例があります。

  • 小規模住宅用地の特例:土地の面積の200㎡以下の部分は、評価額が課税標準×1/3となる
  • 一般住宅用地の特例:土地の面積の200㎡以上の部分は、評価額が課税標準×2/3となる

電気代と水道代

「空き家には電気も水道もいらないのでは?」と思うかもしれませんが、定期的に修繕や掃除などの管理をするためには電気や水道の契約をしておく必要があります。
電気代は電力会社によって、水道代は自治体によって料金が変わります。

たまにだけ使うということを考えると、基本料金だけでも電気代は月1,000円程度、水道代は月1,500円程度を見ておくと十分でしょう。

火災保険と地震保険

こちらも「誰も住んでない空き家に保険をかける意味があるの?」 と思うかもしれません。
確かに、誰も住んでおらず資産価値のない古い空き家が火事で燃えてしまっても別に困らないかもしれません。

しかし、火災で燃えてしまった建物の後片付けはしなくてはならず、保険がなければすべて持ち出し費用となります。

また、古くなって崩れた壁や台風で飛ばされた屋根で他人に怪我をさせてしまうというリスクもあります。
そのような事態に備えるため、火災保険や地震保険の加入が必要となるのです。

火災保険は空き家の場合、「一般物件」として住宅よりも保険料が高くなることが多いです。
火災保険は月1万円程度、地震保険は月3,000~5,000円程度が目安となるでしょう。

その他にもかかる可能性のある費用。空き家対策特別措置法にも注意

ここまでは最低限かかる維持費です。
その他にも場合によってはさらにこんな費用がかかる場合があります。

遠方に住んでいる場合の交通費や宿泊費

空き家が自宅から遠い場所にある場合、管理ため定期的に足を運ぶのに交通費がかかります。
日帰りができない距離ならば宿泊費も必要です。

修繕費

建物に傷みや損壊がある場合修繕が必要です。
こんなケースがあるでしょう。

  • 外装塗装の塗り直し
  • 屋根の張り直し
  • 割れた窓ガラスの交換
  • 雑草処理、庭木の剪定など

管理会社への委託料

空き家が遠い、管理の手間や時間が取れないという場合は、専門の管理会社へ管理を委託することになります。

空き家対策特別措置法による増税

「空き家対策特別措置法」とは平成27年に施行された法律です。

管理が行き届かず地域や近隣住民に防災、衛生、景観などの悪影響を及ぼす「特定空き家」と指定された場合、固定資産の住宅用地の特例が解除されるというもの。
固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍になってしまいます。

ライフスタイルの変化や高齢化から全国的に空き家が増加しています。
管理しきれない空き家の放置、廃屋化は地域の防犯や安全面に悪影響を及ぼすため、国は「空き家対策特別措置法」を制定することで、空き家の適切な管理を求めています。

維持できなくなった空き家を整理する方法

空き家は所有しているだけで維持費がかかります。
今後かかってくる費用負担なども考え、使う予定がない空き家は早めに手放すのが得策です。
空き家を手放すにはこんな方法があります。

売却する

建物は時間が経てば経つほど資産価値が減ります。
老朽化が進むとさらに売却しづらくなるので、売却するなら早めがおすすめです。

北章宅建でも空き家の売却について対応しています。
管理や処分に困っている空き家がある方はぜひ一度ご相談ください。

建物を解体し土地のみにして賃貸にしたり、売却する

古い建物を解体して更地にしてしまった方がその後の賃貸や売却がスムーズに行く場合もあります。
借り主、買い主が空き家を管理することなく、土地を好きなように活用できるからです。

ただし、建物を解体してしまうと固定資産税・都市計画税の住宅用地の特例対象からは外れてしまいます。
土地の固定資産税・都市計画税が高くなってしまうので注意しましょう。

空き家の手放し方についてはこちらでも詳しくご紹介しています。

まとめ

  • 誰も住んでいなくても空き家を所有しているだけで、維持費が年間30万円以上かかります!(評価額や条件によって異なります。)固定資産税や都市計画税がかかるのはもちろん、誰も住んでいなくても管理責任があるので、そのための光熱費や保険代などものかかるのです。
  • そのほか、空き家へ足を運ぶための交通費、修理や修繕に係る実費、管理会社へ管理を委託する場合の委託料などが発生する可能性があります。また、空き家を管理せず放置し国から「特定空き家」に指定されてしまった場合、土地の固定資産税や都市計画税が高くなってしまいます。
  • 維持しきれない空き家は維持費の削減のためにも、 早めに手放すことを検討しましょう。建物を壊して更地にすると、住宅用地の特例がなくなり土地の固定資産税や都市計画税が高くなるので注意しましょう。います。

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